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くず切り・葛風味 今出川駅「鶴屋吉信(つるやよしのぶ)」
三代目が「吉兆」と「信用」から一文字ずつ取って掲げた屋号は菓子作りへの誠意を表し、代々伝わる家訓には「ヨキモノヲツクル為ニ材料、手間ヒマヲ惜シマヌ事」という一条があります。創業から半世紀後には京都所司代認可の上菓子屋仲間に属する菓子司となり、禁裏や宮家、茶道家元、有名寺社の御用菓子を手がけてきました。明治維新後は三代目が柚餅を創案し、大正9年には四代目稲田儀三郎により京観世をはじめとする現在の銘菓の多くが発売され、昭和天皇による「柚餅お買い上げ」や戦時中の「戦時京菓子18種」にも選ばれるなど、激動の時代も京菓子司の暖簾を守り続けました。
鶴屋吉信の一番人気の菓子はつばらつばらで、万葉集にも登場する「しみじみ、心ゆくまで」という意味の美しい響きの名前を持ちます。銅板でじっくり焼き上げたもちもち・しっとりとした焼皮で、北海道十勝産の粒が大きめの小豆を使った風味豊かな小倉あんをはさんでいます。もち粉を使用した生地は蜂蜜も加えられており、まず指先で感じるやわらかな皮と食べて驚くもちもち食感が唯一無二の美味しさを生み出しています。1996年の発売以来、鶴屋吉信の焼菓子いちばん人気として愛され続けています。
その他の名物として、西陣織にちなんで繭の形をかたどった一口饅頭紡ぎ詩があります。きざみ栗入りこしあんを包み、つぶつぶのケシの実が香ばしい味わいのアクセントとなっている愛らしいお菓子です。また、カラフルな5色の最中種で自分で餡を挟んで楽しむIROMONAKAは、マカロンのような見た目で新感覚の和菓子として注目を集めています。2015年に京都駅にオープンした新業態店舗「鶴屋吉信IRODORI」では、パステルカラーの琥珀糖やカラフルなスティック状の有平糖など、若い世代にも親しまれる革新的な京菓子を提案しており、伝統を守りながらも新しい価値創造に挑戦し続ける老舗の心意気を感じることができます。
- 和菓子御三家
- 冷たいモチモチくず切り
- 地中に埋まっている巨大な根っこ
- 波照間島の黒糖を使った黒蜜
住所 | 京都府京都市上京区今出川通堀川西入ル |
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電話 | 075-441-0105 |
マツコ・デラックス・有吉弘行・大久保佳代子・秋山竜次・ロバート
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この記事の作者・監修

Activi TV
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