南野マキさんが案内。
にゅるみを極めた乾麺 2選
岡山県鴨方町 一番のばし手延うどん
1973年に国内初手延べうどん大型工場稼働手延べうどんの大量生産のシステムを作り出す。
「一番のばし手延べうどん」は、岡山県浅口市鴨方町のかも川手延素麺が手がける乾麺タイプの手延べうどん。
備中鴨方に江戸時代から伝わる手延べ製法を用い、麺を切って形づくるのではなく、生地を延ばしながら仕上げる製法を生かしています。乾麺ならではのつるつるとした喉越しがありながら、手延べうどんらしい食感も楽しめるのが特徴です。
名前にある「一番のばし」には、早朝4時から始まる麺づくりで、一番最初にこねた生地を延ばして仕上げるという意味があります。
製造では「延ばし」と「熟成」を繰り返し、一本ずつ麺へと仕上げていきます。麺の魅力は、つるつるとした喉越しと、もっちりとした食感を合わせて楽しめること。
- 岡山県浅口市
- 一番のばし手延うどん 220g 455円
渡辺手延製麺所 ひやむぎ
渡辺手延製麺所の「金魚印 手延べひやむぎ」は、三重県四日市市大矢知で受け継ぐ手延べ製法を生かした乾麺です。熟成と麺を延ばす工程を何度も繰り返し、20もの工程を約2日かけて仕上げるのが大きな特徴です。一般的なそうめんより太さがあり、手延べならではの滑らかな舌触りと、しっかりした食感を持ちます。原材料は小麦粉、食塩、食用植物油、打粉用のでん粉というシンプルな構成です。小麦粉は職人が選び、独自に配合したものを使います。冷たいめんつゆで食べる定番のひやむぎだけでなく、温かい煮込み料理にも使えるため、夏だけに用途を限定しない乾麺です。製麺所ではそうめん、ひやむぎ、うどん、きしめんを手がけていますが、その中でもひやむぎは太さと弾力、つるりとした喉越しを一緒に楽しめる大矢知の手延べ麺として位置づけられます。
大矢知の麺づくりには長い歴史があります。渡辺手延製麺所は、朝明川の伏流水と鈴鹿山脈から吹く「鈴鹿おろし」という地域の環境を背景に、江戸時代から続く大矢知の製麺文化を受け継ぎます。三重県の観光情報では、製麺所が約300年にわたる伝統の味を守り、一本一本手づくりすることにも触れています。麺づくりでは一気に細くするのではなく、熟成させながら徐々に延ばしていきます。こうした工程を重ねた後、時間をかけて乾燥させて乾麺に仕上げます。渡辺手延製麺所の直販商品には「金魚印」の名が使われ、四日市・大矢知の手延べひやむぎとして展開しています。地域の製麺文化と現在の食卓を結ぶ商品であることが、このひやむぎの背景にあります。
- 手延ひやむぎ 22.5g✕3束 1000円
- 三重県四日市市大矢知地区
- 20分おきに麺の配置を変え乾燥ムラをなくす
ルーツに驚いた!ご当地乾麺ベスト3
第1位 岩手県名物「卵めん」
卵めんの背景には、江刺岩谷堂に約300年前から伝わる麺文化があります。吉田製麺が伝える由来では、長崎から江刺岩谷堂へ移り住んだ松屋十蔵が、オランダ人から教わった鶏卵をふんだんに使う「蘭麺」を伝えたことが始まりです。その後、明治期に岩手を訪れた板垣退助が賞味し、「卵めん」と名付けたという歴史を受け継ぎます。素麺のような細さに、卵ならではの香りと歯切れを重ねた独特の麺が、現在の吉田製麺の代表商品につながっています。吉田製麺そのものも奥州市に根を張る製麺会社で、奥州市の企業情報では1949年6月創業です。現在は卵めんをはじめ、生中華そば、卵うどん、生卵めんなどを製造しています。
- 岩手の名産 吉田製麺 卵めん 200g 324円一食あたり約 162円
第2位 島根県出雲市 児玉製麺白梅 丸うどん
じっくり熟成させた麺はゆでのびしにくく、煮崩れもしにくいため、釜揚げや温かいうどんだけでなく、鍋料理や焼きうどんにも使えます。原材料は小麦粉、食塩、小麦たん白というシンプルな構成で、1袋200gです。ゆで時間は約18〜20分と一般的な乾麺より長めですが、その時間をかけることで太丸麺ならではの食感を引き出します。
児玉製麺が創業したのは大正8年(1919年)で、丸うどんも創業当時から受け継ぐ商品のひとつです。
現在の丸うどんは、厳選した3種類の小麦を独自に配合し、太い麺を熟成、乾燥させながら完成まで丸5日間をかけて作ります。太さや丸い形になった詳しい由来は残っていませんが、初代が理想のうどんを求めて試行錯誤した中から生まれ、二代目、三代目へと受け継いできました。100年以上にわたり同じ太丸うどんを作り続けていること自体が、白梅 丸うどんを特徴づける背景になっています。
- 茹で時間 18~20分コシが強い太いうどん
- 出雲そばの台頭で衰退したうどんの再興※諸説あります
第3位 五島の日本うどんのルーツ 五島手延うどん 200g 513円
小麦粉、水、海塩を混ぜて生地を練り、足踏みや熟成を重ねながら、棒状の生地を少しずつ細く延ばして作ります。途中で何度も生地を休ませることで、細くても切れにくい麺に仕上がります。さらに、麺を延ばす際には五島列島の特産品である食用の椿油を使い、麺同士が付着するのを防ぎます。乾燥後の麺は艶があり、ゆで上げるとつるりとした表面と弾力のある食感を楽しめます。長崎・五島らしい食文化をそのまま味わえる乾麺として、温かいうどんにも冷たいうどんにも使える一品です。
- 遣唐使の寄港地
職人が稲庭うどんの伝統技術「佐藤養悦本舗」
- 職人が稲庭うどんの伝統技術「手綯い」をスタジオで実演
ご当地・乾麺中華麺
- 生麺に劣らない“究極の乾麺中華麺”
金トビ志賀 名古屋きしめん・きぬあかり中華めん
きぬあかりの持ち味を生かした明るく艶のある麺肌と、モチモチとした食感が大きな特徴です。麺線には波切り製法を取り入れ、ゆでる際に麺同士がはり付くのを抑える工夫も施しています。1袋250g入りで約3人前となり、原材料は愛知県産小麦を使った小麦粉と食塩というシンプルな構成です。ゆで時間の目安は8分。温かいかけきしめんだけでなく、しっかりゆでて冷水でしめる「ころきしめん」にも使えます。地元・愛知県産の小麦から名古屋らしい麺料理を楽しめる乾麺として、家庭で扱いやすい商品です。
金トビ志賀は小麦粉の製粉から麺づくりまで手がける蒲郡市のメーカーで、「金トビ名古屋きしめん」は2015年10月に発売しました。
愛知県産小麦「きぬあかり」を丁寧に製粉した小麦粉を使い、きぬあかりが持つ絹のような明るい色合い、透明感のある艶、モチモチした食感をきしめんとして形にしています。幅広の麺線はつゆが乗りやすく、適度なコシと弾力、滑らかな舌触りを備えています。
商品としての実績もあり、「名古屋きしめん」は2016年と2018年にモンドセレクション銀賞を受賞しました。さらに現在の公式通販では、The乾麺グランプリの「こだわり乾麺部門」でグランプリを2年連続で獲得した商品として扱っています。
- 急激に圧力をかけ丁薄くすると生地の繊維が断裂しボロボロになるが圧延機を何台も使用しT足踏みのように徐々に生地を薄くする
- 麺の表面に凹凸をつけ麺同士のくっつきを防ぐ
きぬあかり中華めん
名古屋きしめん
北海道「おうちでオホーツク」
最大の特徴は、乾麺でありながら生麺を思わせる食感を目指した中太ちぢれ麺と、帆立白湯・熟成味噌という北海道らしさのある2種類のスープを一箱で味わえること。
麺にはオホーツク産の「つるきち」「春よ恋」「きたほなみ」の3種類の小麦を使用し、小麦そのものの風味となめらかなのど越し、モチモチとした食感を引き出しています。
低温でゆっくり熟成乾燥させた中太ちぢれ麺。
津村製麺所は昭和24年創業の製麺所で、「おうちでオホーツク」ではオホーツク産小麦の持ち味を生かしながら、乾麺として保存性を持たせつつ、生麺に近いモチモチ感とコシを狙っています。
ちぢれを持たせた麺はスープが絡みやすく、帆立白湯と熟成味噌という性格の異なる味にも合わせた設計です。調理は沸騰したたっぷりのお湯で約6分。ゆで始めから3分ほどたったところで麺をやさしくほぐし、別の器にスープと熱湯300mlを合わせて仕上げます。乾麺なので、食べたいときに一食ずつ調理できるのも扱いやすいポイントです。
帆立白湯は、帆立の旨みを軸にした、すっきりまろやかな白湯スープ。
原材料にはホタテエキスのほか、ポークチキンエキス、動物性油脂、醤油、オイスターエキス、オニオンエキスなどを使用しています。単純な塩味の帆立ラーメンではなく、動物系の旨みと帆立を組み合わせた白湯仕立てなのがポイントです。
もう一つの熟成味噌は、じっくり寝かせた熟成味噌をブレンドした、コクと香りを重視したスープです。原材料には味噌を中心に、玉ねぎ、にんにく、しょうが、ポークエキス、ラード、ごま、糖蜜、アーモンド、香辛料などを使っています。
帆立白湯が海の素材を生かした味なのに対し、熟成味噌は味噌の深みと香りを前面に出した組み合わせで、一箱の中で異なる方向のラーメンを楽しめます。
山形「金の鶏中華」
秋田「稲庭中華そば」
鶏のさまざまな部位から旨みを引き出したスープに、岩塩と醤油を使った塩醤油味のタレ、さらに鶏油を重ねた黄金色のスープが大きな特徴。
一般的な醤油主体の鳥中華とは異なり、鶏そのものの旨みを前面に出す構成で、鶏モモ肉やキンカンなども使い、丸ごと鶏を味わうような一杯に仕立てています。
スープだけでなく、麺にも明確なこだわりがあります。店舗で使う麺には国産ブランド小麦「ゆきちから」を採用し、小麦の香りと旨みを生かした特製ブレンドで仕上げています。
「ゆきちから」は強いコシと伸びにくい性質を持ち、新旬屋ではプリプリ、モチモチとした超多加水麺として金の鶏中華に合わせています。また、鶏は一杯ごとに旨みを逃さないよう炊き上げ、スープと具材の両方で鶏の持ち味を生かす構成です。塩にはモンゴル岩塩を使い、鶏油、麺、鶏、塩というそれぞれの要素を組み合わせて一杯を作っています。白湯と清湯を独自の比率で組み合わせることも新旬屋の鶏スープづくりの特徴です。
この味を家庭向けにした乾麺は、公式オンラインショップでは冷凍タイプと乾麺タイプを扱っています。
冷凍の金の鶏中華は1食入りや3食セットがあり、2019年の東京ラーメンショー最優秀賞受賞メニューとして販売しています。一方、乾麺タイプは山形市の酒井製麺所と新旬屋本店が組んで開発した商品です。全粒粉を使い、中力粉や準強力粉などを組み合わせた中太の平麺を採用し、生麺に近い食感を目指して作っています。
製麺には蔵王水系の伏流水を使い、スープには新旬屋本店の塩ダレと鶏油を使用しています。店舗用の超多加水麺と家庭向け乾麺では仕様が異なりますが、黄金色の鶏スープという金の鶏中華の核となる部分を家庭向けにアレンジしています。
新潟「長岡 しょうがラーメン」
生姜をアクセントにした醤油味のスープと、風味とコシを持たせた麺の組み合わせが軸。
しょうゆを中心に、豚脂、チキンエキス、ポークエキス、煮干し、野菜の旨みとジンジャーを組み合わせたスープ。
一般的な2食入りのご当地ラーメンとは少し違う「2人前+替玉1食」という3束構成。
スープは2袋なので、通常は2杯分を作り、残る1束を替え玉として使えます。
麺そのものを多めに食べたいときにも分量を調整しやすい内容です。
メーカーは乾麺をはじめ、そばやうどんなどを手掛ける松代そば善屋で、このシリーズでも麺の風味とコシを特徴に据えています。長岡しょうがらーめんのほか、新潟濃厚味噌らーめん、新潟あっさり醤油らーめん、燕三条背脂らーめん、佐渡あごだしらーめんなど、新潟各地の味を商品化しています。
群馬「星野物産 マルボシ中華そば」
最大の特徴は、麺の表面に独特の凹凸をつくる「もみ切り打ち」で、スープやつゆが麺に絡みやすい形に仕上げています。
ざる中華、冷やし中華、ラーメンサラダなどにも使えます。
「もみ切り打ち」は、つゆ絡みと手打ち感のある食感を狙った星野物産独自の製法。
この製法を採用した商品は第48回食品産業技術功労賞の商品・技術部門を受賞しました。
東京うまれ 大江戸らーめん
東京で生まれた麺であることを正面に掲げた「東京うまれ」シリーズのひとつ。
玉川食品は現在、東京23区に残る最後の乾麺メーカーとして王子で製造を続けています。
うどんやそば、そうめんだけでなく、中華麺やパスタまで幅広く製造する老舗で、「大江戸らーめん」も東京の製麺文化を背景に持つ一品です。
江戸玉川屋の乾麺づくりで軸となるのが、短時間で一気に乾燥させるのではなく、約24時間をかける熟成乾燥。
製麺工程では、生地をローラーで少しずつ延ばして麺に仕上げたあと、工場上階の干し場へ運びます。一般的な乾麺の乾燥時間を約6時間とした場合、その約4倍となる24時間をかけて乾燥させる製法を採用しています。
時間をかけて水分を抜くことで乾燥のムラを抑え、品質を安定させるのが狙いです。
千葉「手折り東京ラーメンしょうゆ」
濃厚さを前面に出すタイプではなく、昔ながらの屋台ラーメンを思わせる醤油味を軸にした商品です。スープには味を引き立てるスパイスも付き、茂野製麺では東京ラーメンを自社ラーメンのスタンダードに位置づけています。
最大の特徴は、その名にもなった「手折りめん」という茂野製麺独自の製法。
一般的な棒状の乾麺とは異なり、麺を乾燥させる前に一本の束を一つひとつ手作業で4つに折り曲げて仕上げます。
この工程によって、袋から取り出した段階ですでにラーメンらしい長さに整った麺になります。「手折り東京ラーメンしょうゆ」では、この手折りめんにコシのある食感を持たせ、あっさりした醤油スープと合わせています。
「手折り東京ラーメンしょうゆ」は、2026年には全国各地から乾麺10品を取り上げた企画にも選ばれ、一食ずつの食べきりサイズと手折り製法を備えた千葉の乾麺ラーメンとしてラインナップに入りました。
和歌山県「和歌山中華そば」
麺は油で揚げる一般的な即席麺ではなくノンフライタイプで、独自製法による二段乾燥と手曲げの工程を採用しています。
ストレートの細麺に仕上げることで、すっきりとしたのど越しと生麺に近い食感を目指した一杯です。スープは豚骨醤油味で、豚骨のコクを持たせながらキレのある味わいに整えています。
成戸製麺所は昭和25年に和歌山県有田市で創業した製麺所で、平成11年に業務拡大のため有田川町へ移転しました。
業務用の生麺を中心に、ストレート麺や平打ち麺、店舗ごとのオリジナル麺などを手掛けてきた製麺所で、その技術を一般向けの即席麺にも生かしています。
「和歌山中華そば」のほかにも湯浅醤油拉麺やご当地ラーメンなどを展開しており、地域性を生かした麺商品も成戸製麺所のラインナップの一つです。和歌山ラーメンと相性のよい昔ながらのストレート麺を扱ってきた背景もあり、この商品でも豚骨醤油スープと細打ち麺の組み合わせを軸にしています。
麺で特徴的なのが、国産小麦を使用した二段乾燥・手曲げ製法。
ストレートの細打ち麺を二段階で乾燥させることで、即席麺でありながら生麺を思わせる食感とのど越しを持たせています。ノンフライ麺なので、麺そのものと豚骨醤油スープの組み合わせを楽しめる構成です。
兵庫県姫路市「極細中華麺」
厳選した小麦粉に、風味豊かな内モンゴルかんすいを組み合わせています。
細い麺でありながら強いコシがあり、ゆで上がりには艶と弾力が生まれるのが大きな特徴です。短時間で調理できるため、ラーメンを食べたいときはもちろん、鍋料理の最後に麺を加えたいときにも扱いやすい商品です。
用途もひとつに限らず、温かい料理から冷たい麺料理まで幅広く使えます。「極細」「2分ゆで」「強いコシ」という特徴を一つの商品にまとめた中華麺で、常備しておけば献立に合わせて使い分けられます。
かんすいの起源ともされる内モンゴルのかんすいを使っている点で「蒙古王かんすい」は、独特の苦みが特徴です。
徳島県板野町「徳島らーめん」
棒状のストレート細麺と、濃厚で甘辛い醤油豚骨味のスープを組み合わせ、徳島ラーメンらしい味の方向性を家庭で再現しやすい形に仕上げています。
岡本製麺は昭和22年創業で、四国・阿波徳島を流れる吉野川のほとりに本社工場を構え、乾麺を中心に製造しています。
豚の旨みに魚介系の要素を重ねた甘辛いスープが、細いストレート麺と一体になります。乾麺と液体スープの組み合わせなので、常温で扱える点も商品として分かりやすい特徴です。
- 福井県
友吉製粉製麺 黒髪伝説付炭そうめん 160g 972円
明智光秀の妻・煕子が新婚時代貧しい夫を支えるために自慢の黒髪を売ってお金を工面 - 群馬県
花山うどん鬼ひも川 200g 378円
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この記事の作者・監修
Activi TV
こんにちは!食べることが大好きなグルメライター・料理愛好家のActivi TVです。料理の世界に魅了され、様々な料理の作り方や味を探求する日々を送っています。各地で出会った料理から、私は常に新しいインスピレーションを受けています。料理は文化であり、人々をつなぎ、温かい気持ちにさせる素晴らしい手段だと信じています。私の記事を通じて、読者の皆さんも新しい味と出会い、楽しい食体験をしていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします!
