この記事の目次
淡路町駅「かんだやぶそば」
もとは浅草蔵前でそば屋を営んでいた堀田七兵衛が、文京区団子坂にあった「蔦屋」の支店の暖簾を譲り受け、神田連雀町、現在の神田淡路町で店を構えたのが始まりでした。竹藪に囲まれていたことから俗称で「やぶそば」と呼ばれるようになったこの一軒は、藪、更科、砂場と並び称される江戸三大蕎麦の源流として、今もそばを語るうえで欠かせない存在になっています。
現在の店主は五代目の堀田康太郎さん。
1923年に建てられた木造数寄屋造りの旧店舗は、戦火をくぐり抜けて東京都選定歴史的建造物にも選ばれていましたが、2013年の火災で惜しくも一部を焼失しました。
それでも店は歩みを止めず、2014年10月、耐震性と耐火性を高めた新店舗で再び暖簾を掲げました。焼け残った釣り行灯や看板をそのまま使い、板塀を取り払って街との一体感を持たせたのも、この再建の際の工夫だといいます。
神田藪蕎麦にしかない魅力は、なんといっても帳場の女将による通し言葉です。
注文を受けると「せいろう〜、いちまい〜」と独特の節回しで調理場に伝える光景は、まさに江戸の粋そのもの。
POSシステムが当たり前の時代にあえて残されたこのアナログな習わしは、100年以上続いた伝統には100年先まで受け継ぐ価値があるという当主の想いから生まれています。
そばそのものにも独自性が光ります。そば粉10、小麦粉1の外一割で打たれる麺は、長野や青森、北海道などの厳選粉を使用し、ほんのりと緑がかった色合いが特徴です。
つゆは昆布と鰹節でとった辛口でこくのある江戸前仕立て。麺を半分ほど浸けてすすり上げるのが、通の楽しみ方と言われています。
人気の商品はせいろうそば。
初代が工夫を重ねたと伝わる、青みを帯びたそばと、辛口で深い味わいのつゆの組み合わせは、創業以来変わらぬ看板の一杯です。コシがしっかりとありながらのどごしは軽やかで、香りとほのかな甘みを感じられるのも魅力。江戸っ子はつゆにたっぷりつけず、そばの先だけを浸けて粋にすすり込むのが流儀とされてきました。長い歴史のなかで幾度も語り継がれてきた、まさに店の顔ともいえる一皿です。
そばとろは、初代が編み出したという青みがかったそばに、粘りの強い大和芋のとろろを絡めていただく一品で、とろりとした食感とそばの風味が絶妙に調和すると評判です。
他にも人気は天たね。
高温の胡麻油で揚げたかき揚げで、外はざくりと香ばしく、中からは芝海老がぷりっと顔を出す食感の対比が楽しい酒菜です。江戸の昔から酒の肴として親しまれてきた一品と言えるでしょう。
鴨を使った一皿も見逃せません。鴨せいろうそば。
鴨肉のうまみが溶け込んだ温かいつゆに、冷たいそばをつけていただく趣向で、たっぷりのネギとこしのある麺、だしの効いたつゆの相性が抜群です。季節ごとに登場する冷やし茄子そばやかきそばなど、旬の素材を生かした品々も、神田藪蕎麦らしいもてなしの心を感じさせてくれます。
- 卵焼きかんぴょう 椎茸と巻く
- 1880年創業のかんだやぶそば
- 麺は緑がかった色合いが特徴
- 蕎麦本来の風味を感じる香り高い味わい
ホームページ
| 住所 | 東京都千代田区神田淡路町2-10 |
|---|---|
| 電話 | 03-3251-0287 |
[記事公開日]
この記事の作者・監修
Activi TV
こんにちは!食べることが大好きなグルメライター・料理愛好家のActivi TVです。料理の世界に魅了され、様々な料理の作り方や味を探求する日々を送っています。各地で出会った料理から、私は常に新しいインスピレーションを受けています。料理は文化であり、人々をつなぎ、温かい気持ちにさせる素晴らしい手段だと信じています。私の記事を通じて、読者の皆さんも新しい味と出会い、楽しい食体験をしていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします!
