2025年8月10日（日）放送の【情熱大陸】で紹介した、葉山の世界一！理容店　山口太郎・昌男のお店は『山口理容店』です。

山口理容店は大正9年（1920年）に創業し、100年以上の歴史を刻む葉山の老舗理容店です。神奈川県葉山町下山口に店を構え、昭和30年代から現在の葉山御用邸近くで営業を続けています。

国道134号沿いに掲げられた大きな「け」の暖簾が目印で、その姿はまるで銭湯のようで道行く人が思わず微笑んでしまう愛らしさがあります。

現在は3代目の山口昌男さんと4代目の山口太郎さんが親子で営業しており、昌男さんの父親が10歳の時に養子として初代のもとに入ったという家族の歴史も刻まれています。太郎さんは新宿の理容店で約5年間の実務を積み、横須賀米軍基地内の理容店での勤務も経験し、2025年にはマッサージ選手権ワールドツアーで総合優勝を果たすなど、確かな技術を身につけています。

夜間に営業するナイトバーバーは、太郎さんが2020年に始めたこのサービスで、18時以降の完全予約制で、2時間かけて1人のお客様をじっくりとおもてなしします。木製の鏡台や時計、床、扉など歴史が刻まれたインテリアが昭和の香りを漂わせ、レコードの音が心地よいノイズとともに流れる中で、日常の慌ただしさから離れたスローな時間を過ごすことができます。

太郎さんはピアノの演奏も得意で、施術の合間に生演奏を聞くこともできる贅沢な時間が用意されています。約3千枚ものジャズCDコレクションとレコードプレーヤーが店内に並び、まるでニューヨークのバーバーショップにいるような雰囲気を演出しています。

日中営業で人気なのは、3代目昌男さんが手がけるサスーンカット技術を取り入れたヘアカットです。昌男さんは30歳の時にヴィダル・サスーンの孫弟子の技術を目の前で見て雷に打たれたような感動を受け、4、5センチの小さなハサミだけを使って頭部を区画分けし、毛の流れを計算しながら切る技術を身につけました。
キャリア60年近くになる現在も新たな技術を学び続け、美容師資格も持っているため女性客も多く訪れています。

その他の名物メニューとして、ナイトバーバーでは海コース、山コース、星コース、空コースなど自然をテーマにしたコース設定があり、ヘッドスパ、フェイシャルエステ、マッサージなど充実したメニューが楽しめます。
太郎さんが得意とするスキンフェードは、米軍基地で多様な髪質の外国人を扱って培ったバリカン技術で、サイドをミリ単位で刈り上げる国内外で人気のスタイルです。
昌男さんが手がけるワカメパーマは、店の名物として親しまれ、3世代で通っているお客様もいるほど地域に愛され続けています。