【路線バスで寄り道の旅】四谷・野球居酒屋『あぶさん』松村邦洋さん行きつけのお店

店名は水島新司さんによる野球漫画「あぶさん」から名付けられており、まさに野球ファンの聖地として愛され続けています。

店主の石井和夫さんは、以前四谷三丁目にあった焼肉店「羅生門」の店長を務めていました。水島新司さんがその店の常連客で、当時野球チームを結成していたことから石井さんとの交流が始まりました。石井さんは水島さんが主宰する草野球チームの助っ人として参加し、その縁で水島さんから「あぶさん」の名称使用を許可されました。
その後、水島さんがプロ野球選手を連れてきたことがきっかけで、現在のような野球ファンの聖地となったという興味深い歴史があります。

店内は文字通り野球博物館のような空間で、壁という壁に日本のプロ野球選手の写真やサインがびっしりと貼られています。テーブルの天板はガラス張りになっており、その下にはサインボールやサインバットが展示されています。店で使用する皿や箸袋にまで、漫画の主人公である景浦安武の顔が印刷されているという徹底ぶりです。

人気はウインナーのころも揚げです。カレー風味の衣で包んで揚げた看板メニューで、見た目は分からないものの、口にするとホクホクとしたカレー粉の香りが広がり、からりと揚がった食感が楽しめます。

その他ホルモン辛炒めは辛みがきいたスタミナ料理として人気が高く、ビールとの相性も抜群です。

沖縄もずく天ぷらは意外な一品で、サクサクとした食感と沖縄もずくの風味が絶妙にマッチしています。

また、肉豆腐は土鍋で提供される心温まる一品で、特に寒い季節には体の芯から温まる優しい味わいが評判です。

あぶさんサラダはサニーレタス、きゅうり、わかめ、カニカマが盛られたオリジナルサラダで、野球談義で盛り上がる合間の箸休めとして親しまれています。

徳光和夫・田中律子・松村邦洋