【ニッポン行きたい人応援団】銀座の天ぷら『てんぷら 近藤』お店の場所

近藤さんは1947年東京都生まれで、高校卒業後に名門の山の上ホテル内にあるてんぷらと和食 山の上に入店し、23歳という若さで料理長に就任しました。20年以上にわたって同店で修業を積んだ後、44歳で独立を果たし、銀座の並木通りに現在の店舗を構えました。

開業以来30年以上にわたって東京の美食界の最前線に立ち続け、各界著名人や海外からのゲストにも愛される存在となっています。作家の池波正太郎氏とも親交が深く、店の暖簾にある屋号は池波氏の直筆によるものです。

近藤氏が天ぷら界に革命をもたらしたのは、従来の江戸前天ぷらの概念を覆したことです。魚介類が中心だった伝統的な天ぷらに対して、旬の野菜を積極的に取り入れ、野菜の天ぷらを主役級にまで高めました。

また、分厚い衣という従来の概念を捨て、ぎりぎりまで薄くした軽やかな衣を開発しました。この薄い衣により、食材の色や香りを最大限に引き立て、油っぽさを感じさせない軽い仕上がりを実現しています。

有名な料理は、まさに近藤さんの代名詞ともいえるさつまいもの天ぷら。一般的なさつまいもの天ぷらとは全く異なり、直径約7センチ、高さ約7センチの切り株のような形をしています。
使用する品種は甘みの強い紅あずまで、9月に収穫したものを室で2ヶ月間貯蔵し、でんぷん質を糖化させて甘みを最大限に引き出します。
調理には約30分をかけてじっくりと油の中で転がしながら揚げ、その後15分間の蒸らし時間を設けることで、まるでスイートポテトのようなホクホクとした食感と濃厚な甘みを実現しています。
この天ぷらは焼き芋に勝る味を目指して考案されたもので、提供は11月から7月までの期間限定となっています。

野菜の天ぷらでは他にも、瑞々しいグリーンアスパラガスの天ぷらが絶品。揚げたての切り口から水分がじわっと溢れ、青々とした香りと広がる甘み、シャキシャキとした歯ざわりとジューシーさが楽しめます。

細切りにしたにんじんを立体的にまとめたにんじんの天ぷらは、上品な甘みでにんじんが苦手な方でも美味しく召し上がれる一品です。

また、季節によっては北海道産のかきの天ぷらも味わえます。白身魚のように優しく揚げることで、かきの滑らかな食感を残しつつ、クリーミーさと香ばしさを両立させた逸品です。