2025年12月15日放送の【news every 】町すし＆そば！大江戸グルメ物語で紹介した、つけ天そば・カツ丼のお店は横浜・平沼橋駅『角平（かどへい）』です。

角平は昭和25年（1950年）に創業した横浜を代表する老舗蕎麦店で、横浜市西区平沼の交差点の角に店を構えています。現在は3代目店主の岩瀬涼介さんが切り盛りしています。

店名の由来は「平沼の角にあるから」という単純明快な理由から名付けられました。創業前の戦前には初代がカツ屋を営んでいたという歴史があり、現在でもその伝統が丼ものメニューに息づいています。

岸信介元総理大臣をはじめ多くの著名人が訪れてきた名店で、横浜駅東口から徒歩5分ほどの場所にありながら、横浜育ちの方なら誰もが知る存在です。
店の周りには胡麻油で天ぷらを揚げる香ばしい香りが漂い、昼時には行列ができるほどの人気を誇っています。

この店にしかない最大の特徴は、先代の女将が考案した元祖つけ天そばです。
「ざるそばでは物足りない、天ぷらそばでは そばがやわらかくなる」と、蕎麦を愛する初代が研究を重ねて生み出したこのメニューは、温かいつけ汁に大きな海老の天ぷらが豪快に浸かった状態で運ばれてきます。
冷たい蕎麦を熱々のつけ汁につけていただくという独特のスタイルで、海老の天ぷらは衣がサクサク、身はぷりぷりとした食感が魅力です。

ごま油で揚げられた天ぷらの風味がつけ汁に溶け出し、コクが増していく味わいが楽しめます。この食べ方は全国に広まり、つけ天そばの元祖として知られるようになりました。
つけ汁は冷たい出汁に変更することも可能で、好みに応じて楽しめるのも嬉しい点です。

お店のもう一つの看板メニューはカツ丼です。厚さ約3センチにもなる極厚のカツが特徴で、初めて目にすると二度見してしまうほどのインパクトがあります。
戦前にカツ屋を営んでいた創業の歴史が活きており、肉厚でやわらかい良質な肉を使用し、蕎麦屋ならではの甘めで濃いめの出汁がカツとご飯にしっかりと染み込んでいます。
一切れで4口ほどに分けないと食べられないほどの大きさですが、肉本来の味わいが口いっぱいに広がり、蕾巻きには満腹感と満足感を同時に与えてくれる逸品です。

その他にも香り高く食感が楽しい舞茸の天ぷらは、サクサクの衣とこりこりとした舞茸の旨みが際立つ一品です。

温かい蕎麦メニューでは、九条ネギそばや冷やしハイカラ（たぬきそば）も人気で、天かすの香ばしさが際立ちます。ハイカラという名称は「きつねとたぬきの化かし合いにはしたくない」という考えから、当時流行していた言葉を採用したというエピソードがあります。
手もみそばは白く細い更科系で、コシがありながらも喉越しが良く、何度食べても飽きない味わいです。

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