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ニララーメン 学芸大学駅「中国料理味味(ミミ)」
店主の小林龍太さんは、幼い頃に中国の南京へ移り住み、およそ27年間を現地で過ごしました。その後、北京や上海をはじめ、台湾やアルゼンチン、カナダ、ハワイといった世界各地を巡りながら料理を食べ歩き、中国料理を独学で学んだという経歴の持ち主です。
技術職の会社員や農業の仕事も経験し、32歳頃に日本へ帰国してからは都内の中華料理店で修業を積み、1995年頃にこの地で独立しました。現在は1階と2階を合わせて18席ほどの店内で、小林さんがひとりで腕を振るっています。
壁いっぱいに貼られたメニューには、中国各地の郷土料理を中心に、和の食材を使った創作料理まで並んでいます。なかでも小林さんのこだわりが光るのは、油を控えめにしたあっさりとした味わいです。
味付けには上海蟹を漬けた紹興酒を使った秘伝のタレと、良質な油を組み合わせて仕上げるため、中華料理にありがちな油っぽさや重たさを感じさせません。どの料理もすっきりとした後味で、次々と箸が進むのが不思議です。
北京水餃子は、開店から20年以上も改良を続けてきた看板メニューのひとつです。
細かく刻んだネギと白菜を混ぜて旨みを凝縮させた餡を、少し厚めの皮でしっかりと包んでいます。口に入れると肉と皮が一体になっており、ひと口目は何もつけずそのまま、ふた口目からは黒酢をつけていただくのが通の食べ方です。
餡にはスパイスの下味がしっかりとつけられており、皮のもちもちとした食感と餡の肉汁がたまりません。小林さんは「22年間改良しながら作っているから、味がどんどん美味しくなっているんだよ」と笑顔で話してくれます。
四川風麻婆豆腐は、ピリッとした花椒が香り高く、幾重にも重なった旨みが特徴です。隠し味には上海蟹を漬け込んだ紹興酒を使っているため、ただ辛いだけでなく奥深い旨辛さが楽しめます。豆腐との相性も抜群で、まさにプロの技が光る一品です。
ニララーメンは、もうひとつの名物です。丼を覆うほどたっぷりと盛られた生のニラの風情は、常連客から「緑の絨毯」と呼ばれるほど。茹でた麺の上に生のニラをたっぷり載せ、豚挽き肉と溶き卵が入った熱々の鶏ガラスープを後からかけることで、生ニラの風味や甘みが際立ちます。
程よい酸味がさっぱりとしていて、油分もほとんどないため、スルスルと食べ進めることができます。ビタミンが豊富なニラは、風邪予防や夏バテ予防にも良いと小林さんは教えてくれます。お酒を飲んだ後でもスッキリとした味わいで、体に優しい一杯です。
大和芋とエビあげは、小林さんの創作料理の極みといえるメニューです。弾力のあるエビを丁寧におろした大和芋で優しく包み、団子状にして揚げたもので、大葉でくるんでさっぱりといただきます。150度の油で揚げながら、ハサミできれいに形を整えていく仕上げ方は、もはや町の中華料理店のレベルを超えた職人技です。
ふわふわと柔らかい食感と、エビの旨みが口いっぱいに広がります。
金ニラと肉炒めは、栃木や岡山で採れる金ニラと豚肉の千切り、豆腐乾肉絲を炒めた一品です。金ニラは通常のニラと比べて臭みがなく、甘みとやわらかさが特徴です。シャキシャキとした金ニラの食感と、豚肉のコクが絶妙に絡み合い、瓶ビールとの相性も抜群です。
毎年秋から冬にかけては、上海蟹が入荷します。小林さんは生きたままの蟹だけを使い、調理前に生きていることを確認させてくれるという徹底ぶりです。
蒸し上海蟹と、紹興酒に漬け込んだ酔っ払い蟹の2種類が楽しめます。酔っ払い蟹は1匹あたり1000円相当の紹興酒を使って仕込むため、甘く濃厚な味わいが広がります。
上海蟹の時期は10月中旬から11月末頃までで、この時期を楽しみに遠方から訪れる常連客も少なくありません。
- 生ニラ+豚肉+卵の熱々スープ
- 餃子
白菜やネギは別々に細かくしひと晩寝かせてから肉と混ぜる
隠し味に昆布だし・上海ガニのエキスなど
フードプロセッサーにかけ なめらかに - キュウリと玉子炒め
皮をむいたきゆうり+きくらげ+卵
| 住所 | 東京都目黒区鷹番3-7-17 |
|---|---|
| 電話 | 03-5721-0082 |
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この記事の作者・監修
Activi TV
こんにちは!食べることが大好きなグルメライター・料理愛好家のActivi TVです。料理の世界に魅了され、様々な料理の作り方や味を探求する日々を送っています。各地で出会った料理から、私は常に新しいインスピレーションを受けています。料理は文化であり、人々をつなぎ、温かい気持ちにさせる素晴らしい手段だと信じています。私の記事を通じて、読者の皆さんも新しい味と出会い、楽しい食体験をしていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします!
