2025年11月10日放送の【news every 】揚げ物 名人の繁盛店で紹介した、海老フライ・アジフライ のお店は品川区・大森海岸駅の老舗『洋食入舟』です。

洋食入舟は、京急大森海岸駅からほど近い品川区南大井に位置する、1924年（大正13年）創業の老舗洋食店です。創業から100年以上の歴史を誇り、現在は4代目店主・松尾信彦さんが、変わらぬ味と店への思いを受け継いでいます。古民家風の趣ある外観と懐かしさを感じる店内は、訪れる人々の心をほっと和ませてくれます。この地域はかつて花柳界として栄えた大森海岸エリアであり、入舟はその賑わいを今に伝える最後の一軒となりました。

お店の最大の特徴は、「お座敷洋食」と呼ばれる歴史的背景と独特の空間にあります。かつて花街の料亭や芸妓屋が立ち並んでいた頃、2階の座敷はお客様が芸妓と一緒に食事を楽しむ場所でした。現在でも2階には和室の個室があり、小さなお子様連れのご家族や親睦会など、さまざまなシーンで利用できるのが魅力です。

また、常連のお客様を大切にしたいという店主の思いから、ランチタイムにはフリードリンクサービスがあり、ゆったりと食事が楽しめます。お客様から「お正月用のおせち料理を作ってほしい」との要望を受けて販売を開始したエピソードからも、顧客思いの温かい姿勢が伝わってきます。

数ある人気メニューの中でも特に多くのお客様に愛されているのが、天使の海老 海老フライです。この海老は、「天国にいちばん近い島」と呼ばれるニューカレドニアの美しい海で、完全自然食で育てられた特別なものを使用しています。創業当初からのメニューではありませんが、4代目店主がこの海老に出会い、「ずっと使い続けたい」との思いで加えた逸品です。カリッと揚がったパン粉の衣と、プリプリとした海老の甘みが口いっぱいに広がり、一度食べたら忘れられない味わいです。

最近人気を集めているのがアジフライです。淡路島から仕入れる新鮮なアジを、一本釣りという手間のかかる方法で獲ることで、アジにストレスがかからず、鮮度と味の良さを維持しています。衣のサクサク感と中身のふっくらふわふわな食感が驚きを与える一品です。

さらに、黄色い玉子で覆われた昔ながらのハンバーグも根強い人気を誇ります。肉の旨みがしっかり詰まりつつジューシーで、懐かしさを感じさせる王道の洋食の味が楽しめます。また、入舟ランチBのように、天使の海老 海老フライにクリームコロッケ、ロールキャベツ、サラダが付いたお得なセットメニューも好評です。

創業以来の基本メニューを大切に守りながらも、時代に合わせてより良い食材に切り替えることで、常に最高の味を提供し続ける姿勢が、100年以上にわたり愛されてきた秘訣なのかもしれません。

newsevery