【有吉くんの正直さんぽ】特大タマゴサンド『喫茶 アメリカン』東銀座のお店・ロケ地を紹介〔三四郎・坂下千里子〕

店主の原口誠さんは佐賀県出身で、大学卒業後に外資系時計メーカーや大手食肉加工メーカーで営業マンとして勤めましたが、30歳で脱サラし、オフィス街でOLをターゲットにこの店を開きました。当時はケーキも提供していましたが、現在はサンドイッチのみに特化しています。

開店当初から人気店となり、CNNで取材されるなど世界中から客が訪れる名店へと成長しました。店内には芸能人との写真やサイン、家族写真、取材記事の切り抜きなど、店主が大切にしているものが壁や天井を埋め尽くすほど飾られ、40年以上東銀座の名物として愛され続けています。

この店の最大の特徴は、5センチメートル以上もある極厚の食パンで作られる圧倒的なボリュームのサンドイッチです。
新橋ベーカリーから営業時間の午前8時30分と午前11時30分の1日2回、焼きたてのパンが直送されます。
通常パンは焼いた後に冷ましてから売られますが、ここでは冷まさずに熱々のまま袋詰めして運んでもらっています。これは「炊きたてのご飯が最高においしいのと同じで、パンも焼きたてがうまい」という店主のこだわりです。パンに触れると素手では持っていられないほど熱く、切り口から湯気が立つほどです。ふんわりもっちりとしたパンはきめ細かく、ほんのり甘みがあって瑞々しく、耳まで柔らかいのが魅力です。

店で注文の8割を占める一番人気はタマゴサンドです。日本産の卵とマヨネーズのみを使用したシンプルな具材で、塩やペッパーなどの調味料を入れていないのは「子供からお年寄りまで安心して食べてもらいたい」という店主の思いからです。

白身はやや大きめに刻まれ、黄身のザラッとした食感が残り、卵そのもののおいしさを感じられます。
ゆでた卵は1日寝かせるのが店の流儀です。極厚のパンの間にたっぷりのタマゴサラダが挟まれ、

さらに山盛りのタマゴサラダが上にどっさりと盛られます。これほどの量になったのは、昔は卵の原価が安かったので「ほかのメニューと同じ金額なのは悪い」と思って山盛りにしたという店主の心遣いからでした。

ハンバーグサンドは手ごね感のあるジューシーなハンバーグが特徴で、肉々しい味わいとソースが染み込んだ食パンとの相性が抜群です。

ローストチキンサンドはしっとりやわらかいローストチキンが味わい深く、香ばしい風味がパンと絶妙にマッチしています。

パストラミビーフサンドはローストビーフより高級な素材を使用し、スパイスで味付けされた濃厚な味わいが魅力で、肉の山が雪崩を起こすようなインパクトのある見た目です。

ほかにもツナサンドやハムサンド、ポテトサンド、ハムツナサンド、ハムポテトサンドなど全9種類のサンドイッチが揃っています。

どのサンドイッチも食べきれないほどのボリュームで、持ち帰り用のパックとビニール袋が用意されているので安心です。

有吉弘行・生野陽子