【タクうま】藤沢の鮮魚店直営の日替わり御膳・トロサバ定食『湘南 魚つる Hanare』お店の場所〔神奈川県・タクシー運転手さん一番うまい店に連れてって〕

2019年8月にオープンしたこのお店の運営元は、1932年に創業した老舗鮮魚店「湘南魚つる」。藤沢駅直結の「フジサワ名店ビル」地下1階で、長年にわたり地域の食卓を支えてきました。
腰越で漁師をしていた祖父の代から数えると、魚介類の販売は90年を超える歴史を刻んでいます。「いろんな種類の美味しい魚を気軽に楽しんでもらいたい」という思いから、魚屋直営の飲食店として誕生しました。

魚屋ならではのこだわりが、このお店の最大の魅力です。毎日のように小田原・長井・沼津・伊東などの近隣市場に買い付けに出向き、相模湾や駿河湾など近海物をはじめ、北海道や日本海産の新鮮な魚介を仕入れているそう。
長年培われた確かな目利きで選ばれた魚は、揚がったばかりのものをその日のうちに店頭に並べるという新鮮さです。

お店の看板メニューははなれ丼です。マグロをベースにさまざまな魚を特製タレで漬けにしたものを、酢飯の入ったお櫃にまぶして仕上げた一品。途中で温玉を落とすと、まろやかな風味への味変も楽しめます。
海鮮茶碗蒸し、温泉卵、椀物、お漬物が付いた充実のセット内容で、地元の人々に愛され続ける定番の味わいとなっています。

昼のメニューで一番人気なのが魚屋の特選刺身定食です。大きなお皿に日替わりで7種類のお刺身がたっぷり盛られ、その豪快さに思わず驚きの声が漏れてしまうほど。
マグロはもちろん、旬のブリや太刀魚、さらには大紋ハタやオジサンといった珍しい魚まで、その日の仕入れによってさまざまな魚種を味わうことができます。茶碗蒸しと小皿、そして熱々の白ご飯とお味噌汁が付いて、魚好きにはたまらない定食です。

このほか、気まぐれ丼も人気のメニューのひとつ。この日の内容は氷見の天然寒ブリ、炙り太刀魚などが入った4色丼で、日替わりで旬の魚が楽しめます。丼物にはお味噌汁やお漬物が添えられています。さらに注文を受けてから揚げる揚げ物セットを追加すれば、サクサク熱々の天ぷらも堪能できます。白身魚の天ぷらは身がホクホクで絶品だそうです。また日替わり御膳では、刺身、煮魚や焼き魚、揚げ物の中から2つを選べる組み合わせが楽しめます。自家製のやわらか煮穴子や、エビとアジの天ぷらなど、魚屋の技が光る一品が味わえるのも魅力です。

ご飯は定食も丼も大盛り無料というのもうれしいポイント。食べ盛りの若い人からご年配の方まで、幅広い世代がお腹いっぱい魚を楽しめるお店です。夜の営業では、有名蔵の定番銘柄からレアものまで30種類近くの日本酒を常備しているそう。魚料理とお酒を楽しみに訪れる人も多く、予約で埋まっている日もあるため、夜に行く場合は事前の電話予約がおすすめです。

お店の隣には販売コーナーもあり、お店で食べるだけでなく、店員さんから調理法のアドバイスをもらいながら魚を選んでお買い物も楽しめます。手作りのお惣菜やお寿司、日持ちする海産物なども揃っているので、お土産にもぴったりです。

白と青を基調とした明るい店内は、カウンター席とテーブル席を合わせて40席ほど。魚料理のお店というよりカジュアルなレストランのような清潔感あふれる空間で、老若男女を問わず地元の人々が訪れています。平日も週末も午前11時の開店と同時に満席になるほどの人気ぶりで、開店前から待つお客さんの姿も珍しくないといいます。

吉村崇・平成ノブシコブシ・鈴木福・村上佳菜子