民族楽器・夫婦のカフェ「ハートビートベース」
2024年4月にオープンしたこのカフェは、「心が躍る基地」という店名に込められた想いのとおり、食事を楽しむだけでなく、音楽やものづくり、読み聞かせといった文化活動が自然に交わる、地域に開かれた居場所として親しまれています。
運営するのは、幼なじみとして育ち、60代で運命の再会を果たした宗像由美子さんと直樹さんご夫婦です。
由美子さんは長年埼玉県で音楽教師として子どもたちと向き合い、直樹さんは都内のIT企業でエンジニアとして働いてきました。定年を迎え、第二の人生を考え始めた頃、SNSを通じて届いた「桃のおすそわけ」という何気ない言葉がきっかけとなり、二人は数十年ぶりに再会します。
距離を縮めるうちに、由美子さんが思い描いていた「終の棲家でカフェを開く」という夢を、直樹さんが「一緒に手伝えたら楽しい人生になる」と感じ、プロポーズ。再会からわずか5か月でのスピード結婚を経て、2022年12月に南相馬市へ移り住みました。
一軒家を自宅兼カフェに改装した店内は、広々としたキッチンと書棚、そして由美子さんが集めた民族楽器が並ぶ温かな空間です。
二重ガラスのカップで供されるコーヒーは冷めにくく、長い時間おしゃべりを楽しめる心遣いが嬉しいところ。
窓の外には自然豊かな景色が広がり、海も望める公園が近くにあります。
週4日の営業で、曜日ごとに異なる料理が登場するのが大きな特徴です。
火曜日と水曜日には、厳選されたスパイスと地元産の新鮮な野菜を使ったスパイスカレーが味わえます。紫蘇やパクチー、ネギといった香味野菜が山盛りに盛られたエスニックキーマカレーや、有頭エビの旨味を丁寧に濾したカレーと、とろとろに煮込まれた牛すじカレーを一度に楽しめる二種盛りなど、複雑な香りと奥深い味わいが口いっぱいに広がります。
木曜日にはおばんざいランチが並び、手間をかけて調理された家庭的な和食は、まるで実家に帰ったような優しい味わいです。
金曜日には15食限定の気まぐれランチもあり、何が出てくるかは当日のお楽しみ。
地元の農家さんと直接つながり、必要な野菜を栽培から協力してもらうこともあるそうで、そうした温かい人と人とのつながりが、料理の随所に感じられます。
土曜日は予約限定の特別な日です。昼は正午から午後2時まで、夜は午後6時から8時まで、家族や友人との会食にぴったりなコース料理をゆっくりと楽しめます。
ドリンクメニューも個性豊かで、カレーにも使われるスパイスをアレンジした自家製シロップで作る爽やかなスパイスシロップソーダ、黒糖の優しい甘さとタピオカの食感が楽しい黒糖タピオカミルク、小松菜をベースにしたグリーンスムージーなど、食事と好相性の清涼感ある一杯が揃っています。
焼き菓子にもこだわりがあり、シナモンロールはふくらみの残る焼き上がりが特徴です。
ランチタイムは午前11時半から午後4時まで、ティータイムは午後2時から4時まで。定休日は月曜日ですが、コンサートやワークショップの開催によって変わることもあるため、事前に確認してから訪れることをおすすめします。
『ハートビートベース』は、単なるカフェという枠にとどまらず、「みんなのたまり場」としての役割を大切にしています。
由美子さんは音楽教師としての経験を活かし、月に一度、高齢者を対象にした民族楽器のワークショップを開催。
参加者の好奇心に満ちた笑顔が印象的だといいます。店内では絵本の読み聞かせや子ども食堂、直樹さんのITスキルを活かしたパソコン困り事相談など、多世代が交流できる催しが随時行われています。民族楽器は音が出しやすいものを中心に揃えられ、初めてでも遊ぶように触れられる雰囲気です。
書棚には絵本から文芸まで幅広い蔵書が並び、会話の糸口になる選書が意識されています。
食事を楽しみ、本を手に取り、楽器を鳴らし、また席に戻る。そんな行き来が自然に生まれるのが、この場所の流儀です。
移住してきたご夫婦が、自分たちの好きなことや経験を惜しみなく地域に還元し、訪れる人たちが喜び、人が集まる場所になってほしいという想いが、一皿一皿の料理に、一つ一つの催しに込められています。
南相馬市を訪れた際には、温かい雰囲気と丁寧につくられた料理、そして心躍る体験を味わいに、ぜひ足を運んでみてください。
- 夫婦の民族楽器と週替わりランチが楽しめるカフェ
- 地元の食材を使った3種類のメニューから選べる
ホームページ
| 住所 | 福島県南相馬市原町区牛来字大塚5-3 |
|---|---|
| 電話 | 050-1204-7226 |
※公式サイト・Instagramから情報を引用させていただいております。
菊池桃子・小木逸平
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この記事の作者・監修
Activi TV
こんにちは!食べることが大好きなグルメライター・料理愛好家のActivi TVです。料理の世界に魅了され、様々な料理の作り方や味を探求する日々を送っています。各地で出会った料理から、私は常に新しいインスピレーションを受けています。料理は文化であり、人々をつなぎ、温かい気持ちにさせる素晴らしい手段だと信じています。私の記事を通じて、読者の皆さんも新しい味と出会い、楽しい食体験をしていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします!







