【人生の楽園】妻の喫茶店と夫の蕎麦屋『マリキータ・なおじろう』新潟県上越市のお店情報

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放送の【人生の楽園】城下町 妻の喫茶店と夫の蕎麦屋で紹介した、喫茶・蕎麦のお店は『マリキータ・そば処 なおじろう』です

高田駅「そば処 なおじろう・マリキータ」

喫茶店の「マリキータ」とお蕎麦屋さんの「そば処 なおじろう」は新潟県上越市の風情ある雁木通りに面した町家を改修し、2024年7月にオープンしたお店です。

上越市の仲町が並ぶこの一帯は、慶長19年の高田城築城とともに整備された城下町の町人町として栄えた場所で、江戸時代から続く雁木通りが今も日本一の総延長を誇ります。雁木とは、雪国で冬でも往来できるよう家の軒を延長して造られた庇のことで、各家が私有地である雁木の下を公共の歩道として無償で開放する、助け合いの精神から生まれた建築様式です。カフェ マリキータが入る建物も、この伝統的な雁木町家をリノベーションしたもので、昭和の温もりと現代的なデザインが融合した和モダンな空間が広がっています。

このお店の誕生には、夫婦それぞれの夢が詰まった物語があります。奥様の美智子さん(73歳)は、長野県の短大時代に一人暮らしで心の拠り所となった喫茶店に憧れを抱き、23歳で結婚後も「いつか喫茶店をやりたい」という思いを胸に秘めていました。3人の子育て、義母の介護、介護施設での仕事と、家族のために懸命に走り続けた日々。古希を迎えた頃、施設で担当していた高齢者から「旦那が元気なうちに何かやらないと何にもできなくなるよ。喫茶店をやるなら今だよ」と背中を押され、ついに一念発起します。その準備を始めると、定年退職後に趣味の蕎麦打ちを楽しんでいた直行さんも「俺も蕎麦屋をやってみたい」と触発されました。こうして二人が見つけた雁木通りの町家で、手前に美智子さんがカフェ「マリキータ」を、奥に直行さんが『そば処 なおじろう』をオープンさせたのです。

カフェ マリキータ

店名はスペイン語で「てんとう虫」を意味し、オーナーの西脇美智子さんが長年代表を務めていた音楽グループから名付けられました。

店内に入ると手前にカフェが広がり、奥には夫の直行さんが手がける「そば処 なおじろう」が併設されています。

カウンター席とテーブル席が計16席用意され、壁にはさまざまなジャンルの本が並び、クラシックやジャズ、フォークソングが流れるなか、ゆったりと寛げる雰囲気が魅力です。

ランチタイムの看板メニューは、1日10食限定の発酵和ランチです。この料理は、シニア世代に健康的な食事を楽しんでほしいという美智子さんの想いから考案されました。
中心となるのは発酵酵素玄米で、玄米を炊いて2日間じっくり熟成させることで、白米にはないモチモチとした食感と自然な甘みが引き出されます。専用の炊飯器で炊かれたこの玄米は、ヒマラヤ岩塩をかけるとさらに味わいが深まり、健康志向の方にも喜ばれています。発酵酵素玄米には腸内環境を整える食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、主食として継続的に取り入れることで美容や健康面での効果が期待できるといわれています。

発酵和ランチには、発酵酵素玄米に加えて、揚げたてのコロッケや自家製ピクルス、カブの和え物、フルーツサラダ、茶碗蒸しといった手作りの副菜が並びます。さらに肉じゃがと具だくさんの味噌汁が添えられ、ボリューム満点でありながら野菜や発酵食品がたっぷりで栄養バランスにも配慮されています。コロッケはサクサクの食感で、ソースなしでも楽しめるようスパイスが効いた味わいになっており、食後には紅茶やコーヒー、そば茶、りんごジュースから選べるドリンクが付きます。コーヒーは美智子さんが3種類の豆をブレンドしたもので、香り高いひとときを演出してくれます。

カフェでは、地元の食材を使った季節の副菜や、地元菓子店とコラボした和スイーツも提供しています。
金曜日の夜には、ビールや日本酒、ワインといったお酒とともに、季節の食材を使った和風のおつまみを味わうことができます。

そば処 なおじろう

一方、夫の直行さんは、9年前の2015年頃にも上越市大和で同じ店名のそば店を2年間ほど営んでいた経験があります。一旦閉じたお店でしたが、妻の夢を応援する形で町家をリノベーションした際、その建物の奥で再びそば店を復活させることになりました。

店内は杉板など木材をふんだんに使った落ち着いた雰囲気で、カウンター5席とテーブル席10席が用意されています。

お店の看板メニューの二八そばは、長野県産のそば粉と小麦粉をブレンドし、毎朝手打ちして仕上げたみずみずしい逸品です。
コシが強く香りも豊かで、職人の技が光ります。西脇さんは、これまでそばづくりのグループや団体、そば打ちボランティアなどで長年腕を磨いてきました。

そばつゆは、濃い口醤油を使ったかえしにカツオ節と昆布から取っただしを合わせたもので、今回の店の復活にあたり試行錯誤を重ねて完成させた自信作です。すっきりとした味わいながら魚介の豊かな風味が楽しめ、そば本来の旨みを引き立てます。

そばは小盛、並盛、中盛、大盛の4種類から選べます。中でも人気なのが、揚げたてサクサクの天ぷらとのセットです。
季節の野菜や海老を使った天ぷらは、そばの味わいをいっそう引き立てます。素材へのこだわりも感じられ、旬の食材を使うなど季節の移り変わりも楽しめます。

オープン当初は冷たいそばのみでしたが、9月から温かいそばの提供も始まり、8月にはアルコールの提供もスタートしました。

別々だけど一緒に営む夫婦の姿は、まるで雪国の暮らしをみんなで守る「雁木」のようです。互いを思いやる気持ちがあったからこそ、70代になってからの新たな挑戦が実現しました。


食べログ
  • 発酵和ランチ 1200円
  • もりそば(並盛) 800円
  • 天ぷら7点 500円
  • にこにこセット 1700円
  • 夫婦の喫茶店と蕎麦店
住所 新潟県上越市仲町6-1-1
電話 090-2421-0949

菊池桃子・小木逸平

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この記事の作者・監修

Activi TV

こんにちは!食べることが大好きなグルメライター・料理愛好家のActivi TVです。料理の世界に魅了され、様々な料理の作り方や味を探求する日々を送っています。各地で出会った料理から、私は常に新しいインスピレーションを受けています。料理は文化であり、人々をつなぎ、温かい気持ちにさせる素晴らしい手段だと信じています。私の記事を通じて、読者の皆さんも新しい味と出会い、楽しい食体験をしていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします!

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カテゴリー: 人生の楽園
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