山人の暮らし 秘境の宿「秘境冒険民宿 山人砦」
2021年にオープンしたこの一日一組限定の民宿は、かつて「山人(やもーど)」と呼ばれた先人たちの文化をテーマにした体験型の民宿です。
この宿を営むのは、東京から移住してきた鹿島健利さん・晴日さんご夫妻。健利さんが大学で建築を学ぶ中、地域づくりの研修で訪れた早川町に魅了され、卒業後もこの地に残って地域活性化のNPO法人で活動を続けていました。そこに現れたのが、論文執筆のために奈良田を訪れた当時大学生の晴日さん。この秘境の地に惚れ込んだ晴日さんも同じNPO法人に就職し、価値観を共にする二人はやがて結ばれ、集落の皆さんから盛大に祝福されました。
昭和30年頃まで「陸の孤島」と呼ばれ、完全自給自足の暮らしが営まれていた奈良田。電気や道路が整備される以前の知恵と技は、今も地元の長老たちを中心に受け継がれています。しかし「長老たちは延々と生きてくれるわけではない」と気づいたご夫妻は、奈良田の文化を未来に残すため、NPO法人を退職し地元の宿や食堂で修業を積み、住まいを「山人」の小屋風に改装してこの宿を開きました。
宿の内装は猟師小屋をイメージした空間で、表面の皮をむき出しにした木の壁、鹿や熊の毛皮、鹿の角、そして囲炉裏など、山人の暮らしを見事に再現しています。
19畳の和室を中心とした客室は、間仕切り扉で2部屋に分けることも可能で、グループでの利用にも対応。宿泊者は隣接する奈良田の里温泉 女帝の湯に入り放題で、東日本一の泉質にも選ばれたトロトロで身体にまとわりつく気泡が特徴的な源泉かけ流しの温泉を堪能できます。
この宿の真骨頂は、完全自給自足にこだわった食事体験です。一番人気の鹿肉の煮込みシチューは、地元で捕獲した鹿をホロホロになるまで丁寧に煮込んだ逸品で、適切な血抜き処理により獣臭はほとんどなく、上質なローストビーフのような味わいを楽しめます。
ご主人が「かのし会」というハンターグループのメンバーでもあることから、ジビエ料理の品質は非常に高く評価されています。
囲炉裏で2時間ほどかけてじっくり焼き上げるアマゴの炉端焼きは、身がホクホクに仕上がり、山梨の地酒である春鶯囀との相性が抜群です。
特製の甘辛だれでいただく鹿肉のトマトしゃぶしゃぶも人気で、コクのある絶妙なタレが鹿肉の旨味を引き立てます。季節の前菜盛り合わせでは手打ちそばや鱒の刺身、こんにゃくの刺身なども楽しめ、干し野菜のグリルでは驚きの美味しさを誇る炙った干し芋や干し柿にバターをサンドした創作料理なども味わえます。
春の山菜、夏の川魚、秋のきのこ、冬のジビエなど、その土地その季節ならではの恵みを自家製でそろえた料理は、まさに山の豊かさを五感で感じることができる特別な食体験。現在の時代において山奥で自給自足と聞くと粗食を連想するかもしれませんが、山の恵みほど贅沢なものはなく、その真の豊かさを実感できます。
予約プラン情報
ホームページ
【公式】秘境冒険民宿 山人砦 | 山梨県の秘境でわくわくする宿泊体験を
【秘境冒険民宿山人砦公式WEBサイト】秘境の文化をテーマにした1日1組限定の宿です。猟師小屋のようなお部屋と、自給自足にこだわった山の幸、東日本随一の温泉。いつもとちょっぴり違う、わくわくする旅をお楽しみください。
www.yamode-toride.com
| 住所 | 山梨県南巨摩郡早川町奈良田403 |
|---|---|
| 電話 | 080-2782-4408 |
菊池桃子・小木逸平
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この記事の作者・監修
Activi TV
こんにちは!食べることが大好きなグルメライター・料理愛好家のActivi TVです。料理の世界に魅了され、様々な料理の作り方や味を探求する日々を送っています。各地で出会った料理から、私は常に新しいインスピレーションを受けています。料理は文化であり、人々をつなぎ、温かい気持ちにさせる素晴らしい手段だと信じています。私の記事を通じて、読者の皆さんも新しい味と出会い、楽しい食体験をしていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします!







