2025年12月23日放送の【マツコの知らない世界】お菓子缶の世界のまとめ

調進所 紀ノ國屋 京町家は、2025年春に京都市中京区富小路御池に誕生した紀ノ国屋の新しいコンセプトショップです。
1910年に東京・青山で果物商として創業し、110余年にわたり日本の食品文化をリードしてきた紀ノ国屋が、江戸時代に建てられた築160年の京町家をリノベーションして開業しました。

紀ノ国屋の原点である「一人ひとりの好みに最適なフルーツバスケットを販売する」というスタイルに立ち返り、大切な人への贈答品だけでなく、心と体を整える自分へのおくりものも調える場所として生まれたのが、この「調進所」です。

店内では、お茶を一服しながらゆったりと商品を選べるよう、完全予約制で客を迎えています。
洛中の京町家空間で展示を眺め、お庭を回遊しながら、陰翳礼讃な時間をお過ごしいただける特別な空間になっています。店内で扱う商品は厳選された約50品に絞られており、京都という場所にふさわしい品々が並びます。

このお店の人気商品の一つが、京都在住アーティスト鶴田一郎氏がデザインした缶に入った京町屋 謹製クッキィです。
京都発祥で日本で最初にクッキィを販売した老舗「泉屋」の焼菓子が詰め合わされており、国産小麦と老舗京都・放香堂の有機抹茶を使用したホームメイドの味わいが特徴です。素朴な味わいの中に懐かしさを感じる一品で、紀ノ国屋とのコラボレーションにより時を超えた美味しい想い出が蘇ります。

銀座 菊廼舎 本店は、明治23年(1890年)に創業した江戸和菓子の老舗です。

創業者の井田銀次郎が銀座尾張町で歌舞伎煎餅を売り出したことから歴史が始まりました。歌舞伎座の近くで営業していたこともあり、初代の頃は歌舞伎煎餅を中心に商いをしていたそうです。

大正後期には二代目が茶事で用いる干菓子からヒントを得て、登録商標冨貴寄(ふきよせ)を考案し、現在の和菓子屋としての礎を築きました。
第二次大戦で一時休業を余儀なくされましたが、三代目が銀座五丁目あづま通りで営業を再開し、現在は五代目が「心やすらぐおいしいものを」という創業以来の理念を守り続けています。令和3年には創業の地であるあづま通りに本店を移転し、銀座の中心地で約130年の歴史を刻んでいます。

このお店の最大の特徴は、二代目が考案した看板商品冨貴寄です。風に吹き寄せられた木の実や葉っぱを模した干菓子を、「幸せをもたらすものであってほしい」という願いを込めて「冨貴寄」と名付けました。

缶を開けると、色とりどりの小さな和菓子が約30種類も詰まっており、まるで玉手箱のような華やかさです。バターを使わない和風クッキー、カラフルな金平糖、落雁、和三盆、ハッカ糖、黒豆、落花生など、様々な形や味わいが楽しめます。
星、貝、金魚、富士山、菊の花、紅葉、桜、打ち出の小槌、鯛、松の葉など、季節や縁起物をかたどった職人の遊び心あふれる細工も見どころです。

京菓子司末富は、明治26年(1893年)に創業した京都の老舗和菓子店です。

初代が亀末廣で修行を積んだ後に独立してこの店を開いた歴史があり、当初は東本願寺を中心に寺社や茶道家元の御用達として、蒸し菓子や干菓子を提供していました。

現在は京都市下京区松原室町に本店を構え、裏千家をはじめとする茶道各御家元や知恩院、妙心寺などの寺院との深いつながりを保ちながら、初代から受け継がれる理念のもと、手づくりにこだわった京菓子を生み出し続けています。

四代目当主の山口祥二さんは、伝統を守りつつも時代に添った新しい試みを続けており、その包装紙は日本画家・池田遙邨画伯とともに完成させた鮮やかなブルーが印象的で、「末富ブルー」と呼ばれ親しまれています。

このお店にしかない特徴として、終戦直後に発売された野菜せんべいがあります。玉子煎餅を薄く焼き上げ、巨椋池の蓮根、堀川ゴボウ、鞍馬の木の芽という京野菜を薄く切って混ぜ込んだ、まさに京都らしさが詰まった煎餅です。
従来の玉子煎餅が子ども向けのお菓子だったものを、大人の賞味に耐えうる上品な味わいへと昇華させました。口に入れるとパリッとした食感の後、生地がホロホロとほどけていく独特の口当たりが特徴で、野菜の風味と香りが優しく広がります。日持ちがよいことから京都では贈り物の定番として長く愛され、末富を代表する銘菓となりました。

お店の一番人気はうすべにです。薄く軽やかな麩焼き煎餅の間に、ほどよい甘みの梅餡を挟んだこの干菓子は、白い煎餅にうっすらと透けて見える梅餡の淡紅色が愛らしく、その名の通り曙やおぼろ夜の桜花、雪をかぶった紅梅のような風情を醸し出しています。
茶道の薮内家好みの和菓子として考案されたもので、ひと口噛むとシャリッとした食感の後、淡雪のように口の中ですっと溶けていきます。

レストラン ローブは2016年に東京・東麻布で今橋英明シェフとパティシエール平瀬祥子さんが創業したフレンチレストランで、2023年6月には六本木一丁目のアークヒルズ仙石山森タワーへと移転しました。

2022年4月には、平瀬さんが石川県金沢市尾張町にパティスリーローブ花鏡庵を開業しました。築150年以上の町家料亭「壽屋」の跡地を改装したこの店は、金沢市指定保存建造物にも指定されている伝統的な建物です。
平瀬さんは古都・金沢の歴史や文化に魅了され、パリで培った技術と経験を活かして金沢特有の趣からインスピレーションを受けたスイーツを創作しています。
店名の「花鏡庵」は世阿弥の「花鏡」の中にある「初心忘るべからず」という言葉から名付けられ、伝統的な美味しさと新たな味わいが響き合う場となっています。

加賀ブレストは花鏡庵を代表する人気商品で、フランスの伝統菓子パリ・ブレストを金沢風にアレンジしたものです。
加賀藩祖前田家の家紋である梅鉢紋を模した5つの小さなシュークリームが並び、中には棒茶とヘーゼルナッツのバタークリーム、キャラメルのバタークリームが二層になって詰められています。
さらにピーカンナッツのキャラメリーゼも加わり、濃厚なのに後味は軽やかな上品な甘さが魅力です。サクサクの生地を一口で頬張ると、生地とクリームの一体感を存分に味わえます。

金継ぎをイメージしたシュシュは、ミルクチョコレートムースの中にパッションマンゴーのジュレやキャラメルソース、マンゴーのクリームが層になった四層構造のケーキです。
表面のつややかなチョコレートコーティングに金箔のラインが施され、金沢の伝統技法を菓子で表現しています。

エディブルフラワーを使った可憐なシトロンは、レモンをかたどったフレッシュレモンムースとピスタチオクリームを組み合わせた軽やかなタルトで、能登半島「あんがとう農園」のエディブルフラワーが季節ごとに彩りを添えます。町家を改装した店内にはイートインスペースもあり、注文を受けてから仕上げるミルフィーユやフィナンシェといった作りたてならではの味わいも楽しめます。

OKASHIYA Karhu（オカシヤ カルフ）は、2021年7月に西荻窪にオープンした焼き菓子専門店です。
店舗はJR中央線西荻窪駅から徒歩約7分、杉並区西荻北にあり、大きな窓と白い壁が印象的な佇まいで、毎週火・金・土・日曜日に営業しています。
もともとは西武柳沢駅近くのシェアキッチンでお菓子を販売していましたが、その人気から独立して路面店をオープンしました。

このお店の最大の特徴は、レモンケーキとお酒にも合うお菓子というコンセプトです。

レモンケーキは日本で生まれた洋菓子であることから、国産素材や産地にこだわり、素材本来の味わいを生かすことを大切にしています。
看板商品のレモンケーキには、広島県産の大長レモンを皮から果汁まで丸ごと使用し、北海道産のバターや小麦粉、フランス産のゲランド塩など厳選された素材を組み合わせています。しっとりとした生地にぽってりとしたアイシングがかかった見た目も可愛らしく、甘さと爽やかなレモンの酸味が絶妙なバランスで、どこか懐かしさを感じながらも飽きのこない優しい味わいに仕上がっています。

人気のエダムチーズと塩のクッキーは、オランダ産のエダムチーズに、イタリア産のパルメザンチーズとグラナ・パダーノチーズの3種類をオリジナルでブレンドし、ゲランド塩を加えたポリポリとした食感が特徴的なクッキーで、チーズの風味がしっかりと感じられ、甘さと塩気のバランスが絶妙です。ワインやお酒のおつまみとしても楽しめる、甘いものが苦手な方にもおすすめの一品となっています。

COFFRET et COFFRET TOKYOは2025年3月15日に高田馬場駅から徒歩3〜5分、神田川沿いの豊島区高田にオープンした焼き菓子専門店です。

このお店の最大の特徴は、甘いものが苦手な人にも喜ばれるサブレサレ缶です。
塩味の効いた薄焼きサブレが入ったこの缶は、ワインのおつまみにも最適な大人の味わいとなっています。

ネギの甘みを活かした甘しょっぱいポワローと、黒胡椒とチーズがたっぷり効いたポワブルの2種類が楽しめ、手間をかけて薄く仕立てられているため、1日の販売数に限りがあります。

甘いクッキー缶が多い中で、このお店ならではのユニークな商品として注目を集めています。

マカロンは常時10種類以上が並び、香りを大切にすることで甘さを抑えた独自の製法で作られています。超高温で一気に焼き上げることで、表面はさっくり、中はダックワーズのようなふんわりとした食感に仕上がります。中でもスペシャリテのアマンドは、ローストしたアーモンドの香ばしさに、ジャンドゥーヤガナッシュと杏仁風味のマジパンが組み合わさった複雑で華やかな味わいが魅力です。アールグレイのキャラメルガナッシュに山椒を合わせた和風の和チャイや、長期間ラム酒に漬け込んだレーズンを使ったラムレザンなど、個性的なフレーバーが揃っています。

焼き菓子では発酵バターをじっくり焦がした香り高いフィナンシェが人気で、店内で粗挽きにしたヘーゼルナッツパウダーを使用したしっとりとした食感が楽しめます。サブレビジュー缶には、キャラメルを練り込んだキャレブルトンヌ、ローストピーカンナッツがたっぷり入ったメープル風味のキャレペカン、香ばしい金胡麻とキャラメルヌガーが特徴の金胡麻フロランタン、発酵バター香る薄焼きのヴァニーユサブレの4種類が入っており、厚焼きと薄焼きの異なる食感を一度に味わえます。

torantoroa33は、2019年にオーナーパティシエの高良大地さんが立ち上げ、2020年7月に長野市北石堂町に実店舗をオープンしたスイーツブランドです。

長野駅善光寺口から徒歩約6分の場所にあり、当初はオーガニックスイーツやジェラートで多くのファンを魅了してきました。そして2024年10月5日、パンを主体としたベーカリーとして生まれ変わり、新たな歴史を刻んでいます。

京都出身の高良さんは調理師免許を取得した後、服飾の専門学校へ進み、アパレルブランドでパタンナーやデザイナーとして活躍しました。その後、料理の世界へ戻り、イタリア料理店を経て、パティシエの道へ進みました。長野市の藤屋御本陳でエグゼクティブペストリーシェフとして経験を積み、その確かな技術は「ワールド チョコレート マスターズ 21/22 日本国内予選」への出場でも証明されています。

このお店の最大の特徴は、化学合成添加物を一切使用しない、身体に優しいお菓子作りへのこだわりです。
できる限りオーガニック素材を使用し、牛や鶏のエサにまで目を向けるという徹底ぶりで、素材本来の美味しさを最大限に引き出しています。

ジェラートは、現在も蓋付きの持ち帰り専用で販売されており、お取り寄せも可能です。島根県木次乳業の遺伝子組み換えでない飼料で育った牛のパスチャライズ牛乳、オーガニックシュガー、北海道産生クリーム、長野県小布施町くりのみ園の平飼い自然卵を使用し、安定剤を使わない珍しいオーガニックジェラートとなっています。
ミルクは濃厚で優しい甘さとすっきりとした後味が特徴で、ショコラにはカカオハンターズのチョコレートを使用し、信州産杏&タヒチバニラは杏の甘酸っぱさが堪能できる人気フレーバーです。

パンのラインナップは35種類からスタートし、北海道産と長野県産の小麦を主に使用し、オーガニックレーズン・ヨーグルト・ルヴァン種でおこす自家製酵母をパンに合わせて使い分けています。
長野県産ブランド豚肉信州太郎ポークを使った手作りソーセージやハムを使ったソーセージドッグは、自家栽培のバジルで作った風味豊かなバジルソースとチーズが絶妙なバランスです。

カレーパンは自家製スパイスキーマカレーを包んだもので、スパイス感よりも肉の旨みが印象的な新しい味わいとなっています。さらに、以前からのファンの要望に応え、自家製カスタードやガナッシュクリームを使ったドーナツ、マドレーヌ、ブラウニー、フィナンシェなどの焼き菓子、チョコレートも取り揃えています。

特にガナッシュ クリュ アールグレイは紅茶専門店ウーフのアールグレイを使用した生チョコレートで、口に入れた瞬間からアールグレイの贅沢な香りに包まれる逸品です。

マツコデラックス