【タカトシ温水の路線バスで】ところてん・くず餅『鹿火屋（かびや）』伊香保で古民家のお店の場所〔磯野貴理子〕

苔むした茅葺屋根と水車小屋の風情ある外観は、江戸時代にタイムスリップしたような雰囲気です。
店名の「鹿火屋」は、万葉集に詠まれた農家の知恵から来ています。昔、田畑を守るために焚き火をたいた小屋から名付けられました。

店内は古風で懐かしい空間が広がり、土間造りと囲炉裏が特徴です。薪の燃える音と燻された匂いが心を和ませます。時代劇の撮影場所としても使われたことがあります。

鹿火屋の人気料理は、地元の郷土料理であるいも串です。火山灰の土壌で育った里芋を秋に収穫し、10月中旬から6月上旬まで楽しめます。蒸した里芋に甘じょっぱい味噌を塗り、炭火で炙った*いも串*は、ねっとりとした食感と深い味わいが特徴です。

もう一つの人気商品は、毎日手作りされるくず餅です。ぷるぷるとした食感と、自家製黒蜜ときな粉の優しい甘さが楽しめます。

囲炉裏端で楽しめる温まるメニューがあります。串に刺したこんにゃくの美味しいおでんは、味噌田楽風で素朴な深い味わいです。

タカアンドトシ・温水洋一