北海道 十勝の小さな日用品店「みんなのお店 KAMIBI(カミビ)」
長く地区の買い物を支えてきたAコープ上美生店に閉店の動きが出たことをきっかけに、2016年には住民による意見交換が始まり、同年11月には「上美生のお店を考える会」が発足。小売店だけでなく、ガソリンスタンドなど暮らしに欠かせない機能をどう残すか、地域ぐるみで検討が重ねられました。
2018年3月には住民によるNPO法人上美生が設立され、地域住民や農協からおよそ700万円の寄付を集めました。
そしてAコープの店舗や設備を受け継ぎ、2018年5月9日にみんなのお店KAMIBIがオープン。
初日には100人を超える住民が訪れ、パンや弁当、菓子、飲料、日用品をはじめ約1000種類の商品がそろう地域の店として、新しい一歩を踏み出しました。
この店ならではの特徴は、単なるコンビニではなく、「地域で必要なものを地域で残す」という発想から生まれていること。
商品の主な仕入れにはヤマザキショップの仕組みを取り入れながら、それだけではそろわない精肉や生鮮品なども扱い、店の隣ではガソリンスタンドも営業。
農業が盛んな上美生では車や農作業車に使う燃料も暮らしに欠かせないため、買い物と給油をひとつの場所で支える仕組みが続いています。
さらに店内には、テーブルやイスを置いた上美生ふれあい広場 ひだまりがあります。
買い物の途中にひと休みする人だけでなく、放課後に漫画を読んだり宿題をしたりする子どもたち、コーヒーを飲みながら話をする地域の人などが集まる場所です。
2019年には厨房も新設され、地域行事の料理づくりにも使われるようになりました。

2018年9月の北海道胆振東部地震に伴う大規模停電では、その存在意義がさらに鮮明になりました。
地区の農家が持ち寄った発電機を使って冷蔵庫やレジを動かし、店とガソリンスタンドの営業を継続。食料や水を求める人が集まり、行政から届いた災害用食品の配布や学校の休校情報を知らせる拠点にもなりました。
人気の商品はほしぞら市場の地元野菜。
店内に設けられたほしぞら市場は、上美生の農家が野菜を直接出品する直売コーナーです。研究調査でも、この野菜を目当てに訪れる人がいることが記録されており、実際に地元野菜を買って帰る住民の姿が多く見られています。
もうひとつの日常の味はヤマザキのパン。
KAMIBIは山崎製パンを主な仕入れ先とするヤマザキショップで、パンや菓子、飲料などを日々の買い物に利用できます。農作業の合間にはパンや菓子、飲み物を買いに立ち寄る人も多く、午後のひと休みに店へ向かうこと自体が上美生の日常風景。遠くの市街地まで出なくても、すぐ食べられるものを身近で買える安心感があります。
地域の仕事を支えるのが弁当。
農繁期には畑仕事に追われ、自宅へ戻って昼食を用意することが難しい農家も少なくありません。KAMIBIではそうした事情に応え、注文を取りまとめて弁当店へ発注し、店員が受け取って農家へ届けるサービスにも取り組んできました。調査時には多い日で1日7〜8カ所への配達があり、数人分から団体のまとまった注文まで対応。商品を売るだけではなく、農村ならではの働き方に合わせて店の役割を広げてきたことがわかります。
ひと休みにうれしいのがコーヒー。
店内のフリースペースにはコーヒーマシンが置かれ、給油に訪れた人がそのまま店内で休んだり、住民同士が話したりする姿も見られてきました。観光の途中で立ち寄れば、商品棚の向こうに、この小さな店が地域の日常をつないできた空気も感じられるはずです。十勝の農村を支える共同店という背景を知って訪れると、KAMIBIは一般的なコンビニとは少し違った景色に見えてきます。
| 住所 | 北海道河西郡芽室町上美生4線36 |
|---|---|
| 電話 | 0155-66-2014 |
[記事公開日]
この記事の作者・監修
Activi TV
こんにちは!食べることが大好きなグルメライター・料理愛好家のActivi TVです。料理の世界に魅了され、様々な料理の作り方や味を探求する日々を送っています。各地で出会った料理から、私は常に新しいインスピレーションを受けています。料理は文化であり、人々をつなぎ、温かい気持ちにさせる素晴らしい手段だと信じています。私の記事を通じて、読者の皆さんも新しい味と出会い、楽しい食体験をしていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします!







