【ザワつく金曜日】おあげの缶詰・松任谷由実『だしいなり海木・海木 ほのじ』のお店情報

2025年11月21日放送の【ザワつく!金曜日】松任谷由実さん愛用の、おあげの缶詰『だしいなり海木』の通販お取り寄せ情報を紹介します。

だしいなりは、福岡県大牟田市で1983年に創業した日本料理店「海木」が生み出した名物のいなり寿司です。初代店主の岡林憲次さんが、いなり寿司が苦手だった女将の幸子さんのために試行錯誤して考案しました。

女将さんの故郷で親しまれていた熊本県南関町の特産品「南関あげ」の美味しさを表現しながら、酢の強さやパサつきといった苦手な点をすべてクリアした新しいいなり寿司が誕生しました。
日本料理店で提供されるコース料理の締めとして出されると、お客さまの顔をほころばせ、次第に海木の看板メニューとなっていきました。

2008年に博多の渡辺通へ移転してからも、だしいなりは地元で愛され続けました。ある日、入院中の父に食べさせたいという常連のお客さまの声から、持ち帰り用の販売が始まりました。当初はテイクアウト用の箱を探すところから始めた女将さんでしたが、その様子を見ていた他のお客さまに勧められて本格的に持ち帰り販売をスタートしました。
やがて東京の百貨店での催事にも呼ばれるようになり、JAL福岡-羽田便のファーストクラス機内食に採用され、機内誌でも紹介されました。こうして東京、そして全国へとその名が広がっていきました。

2019年、海木は創業35周年の節目に日本料理店の営業を終え、だしいなり専門店へと生まれ変わりました。
同年9月27日には東京・日本橋室町のコレド室町テラス1階に、関東初出店となる日本橋店を開業しました。

本店と日本橋店の店舗デザインは、設計事務所「ケース・リアル」の二俣公一さんが手掛けており、凛とした空間が訪れる人を迎えてくれます。大きな赤い暖簾に白いキツネが描かれた店頭は、コレド室町テラスの中でもひときわ印象的です。

だしいなりの最大の特徴は、水分をほとんど含まないパリパリに乾燥した「南関あげ」を使っていることです。九州産大豆100%で作られた海木専用の特注品で、2代目の岡林篤志さんが揚げ職人と何度も交渉を重ねて共同開発したものです。南関あげは非常に割れやすく、力加減を間違えると破れてしまったり、油が十分に抜けなかったりします。職人が一枚一枚の厚みを見極めながら、細心の注意を払ってゆっくりと油抜きを行い、鰹節と昆布で丁寧にとった特製の出汁をじっくりじんわり煮含めていきます。
煮上がったお揚げは出汁を切らずにそのまま巻き上げるため、口に入れるとジュワッと出汁が広がります。

作りたてのだしいなりは、ほんのり温かく、もっちりと滑らかな食感が楽しめます。お揚げがたっぷりと出汁を含んでいるため、中の酢飯も通常のいなり寿司とは異なります。
米選びから炊き方、出汁の味と調和する柔らかな酢加減、温度帯にも気を配り、お揚げと酢飯が一体となるように工夫されています。
香りや食感を守るために作り置きはせず、注文を受けてから酢飯を包むため、出来たての美味しさが味わえます。時間が経ってもパサつくことなく、もっちりとした食感が続くのも特徴です。

日本橋店では、福岡の本店で炊き上げられたお揚げが届き、店舗で一つひとつ丁寧に巻き上げられています。店内のガラス張りの調理場では、篤志さんが稲荷寿司を握る様子を見ることができます。漆塗りの仕込み台は余分な出汁が下に落ちるように設計された特注品で、細部にまでこだわりが感じられます。
お持ち帰り専門の店舗となっており、化粧箱に丁寧に詰められただしいなりは、大切な人への手土産や贈答品としても喜ばれています。

遠方の方や保存がきくものを探している方には、海木 ほのじという缶詰商品もおすすめです。これはだしいなりのお揚げを缶詰にした逸品で、「おあげにほのじ」「だしのお揚げ缶」とも呼ばれています。別の容器に移して電子レンジや小鍋で温めると、炊き立ての大豆やお出汁の香りが戻ってきて、ふっくらとした食感が楽しめます。
そのまま食べても美味しいですし、ご飯にのせたり、卵を落として温めたり、粉山椒をかけてお酒のおつまみにしたりと、さまざまな楽しみ方ができます。

石原良純・長嶋一茂・高嶋ちさ子・高橋茂雄