ひなたぼっこ和食ランチ御膳「bokko ひなた」
築100年という歴史を刻む建物は、もともと店主・東川善久さんの叔母が暮らしていた住まい。愛着と敬意を込めながら手を入れ、新たな命を吹き込んだこの場所には、40年以上越しの夢がようやく形になった、ひとりの料理人の物語が宿っています。
東川善久さん・明美さん
鹿児島県旧開聞町で飲食店を営む家に生まれた善久さんは、高校卒業後、大阪の調理師学校へ進学。「いつか自分の店を」という思いを胸に都会で腕を磨いたものの、その夢をいったん心の奥にしまい込み、24歳で帰郷。以来、地元の国民宿舎で調理師として長年働いてきました。転機は48歳のとき。人事異動で調理の現場を離れることが決まり、唯一のよりどころだった料理の道が閉ざされます。しかしその喪失感が、逆に若き日の夢を鮮明に呼び覚ましました。妻・明美さんの後押しを受け、57歳で早期退職。空き家だった叔母の古民家を借り受け、ついに念願の自分の店をオープンさせたのです。
お店の駐車場に車を停めた瞬間から、すでに旅の空気が変わります。
目の前にどっしりとそびえる開聞岳の稜線は、晴れた日には息をのむほどの存在感。
店内に足を踏み入れると、大きな窓越しにその雄大な景色がそのまま広がり、食事をしながら「薩摩富士」を眺めるという、ほかにはなかなかない贅沢が待っています。
懐かしさを感じさせる落ち着いた空間には、昔のレコードや和の小物がさりげなく飾られ、時間の流れがゆるやかになるような感覚があります。
座敷もテーブル席も用意されており、足に自信のない方やお子さま連れでも安心して過ごせる雰囲気です。

料理を運ぶお膳が昭和初期のものを今もそのまま使っているというこだわりにも、店主の美意識が垣間見えます。
ランチタイム(11:30〜13:30ラストオーダー)の看板は、メインを自分で選べるひなた御膳。
脂の乗ったブリかまの塩焼き、じっくり煮込んだ豚軟骨味噌煮、香ばしい鶏味噌焼きの3種から選ぶことができます。
御膳には、キリボシ大根のうま煮、岩のりのたまご豆腐、茶そば、カツオのたたきといった地元の恵みを丁寧に調理した小鉢が並び、内容は季節ごとに変わるため、何度訪れても新しい発見があります。
素材の風味を活かしたやさしい味わいは、身体にすっとなじむような穏やかさが魅力です。食後には知覧茶かコーヒーを選べる、この土地らしいもてなしも嬉しいところ。
カフェタイム(14:00〜15:30ラストオーダー)には、善久さんが自ら焙煎した深煎りコーヒーと手づくりスイーツが楽しめます。
指宿産かぼちゃをたっぷり使ったかぼちゃプリンは、昔ながらの固めの食感で、ミニトマトのシロップ漬けをさくらんぼに見立てたトッピングが遊び心たっぷり。甘さを控えたガトーショコラも好評で、コーヒーとともに開聞岳を眺めながら過ごす午後は、旅の記憶にそっと刻まれるひとときになるはずです。
夏にはかき氷も登場するようです。
- 豚の軟骨の味噌煮が名物
| 住所 | 鹿児島県指宿市開聞十町2862 |
|---|---|
| 電話 | 080-6232-3729 |
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この記事の作者・監修
Activi TV
こんにちは!食べることが大好きなグルメライター・料理愛好家のActivi TVです。料理の世界に魅了され、様々な料理の作り方や味を探求する日々を送っています。各地で出会った料理から、私は常に新しいインスピレーションを受けています。料理は文化であり、人々をつなぎ、温かい気持ちにさせる素晴らしい手段だと信じています。私の記事を通じて、読者の皆さんも新しい味と出会い、楽しい食体験をしていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします!







