瀬戸内・レモン農家のカフェ「シキファーム(Shiki Farm)」
開店までのエピソード
外資系保険会社で30年間転勤族として仕事中心の生活を送ってきた松本英紀さん(60歳)と、趣味の染色に没頭していた妻の志乃さん(49歳)。2018年に結婚したお二人は「いつかは田舎で暮らし、好きなことをして生きていきたい」という夢を抱いていました。知人が住む大崎上島町を訪れた際、海岸に沈む夕日を見て「ここで暮らしたい」と決心し、2019年8月に会社を辞めて移住を果たします。農業未経験だった英紀さんでしたが、地元の方々のサポートを受けながら柑橘農家として新たな人生を歩み始めました。
移住当初、柑橘用の倉庫が付いている古民家を紹介された英紀さんは「島の人が気軽に集える場所がないな」と感じ、志乃さんに相談します。コロナ禍を修繕作業に充て、カフェと倉庫ギャラリー、そして志乃さんの染物体験工房などを併せた「シキパーク」を2021年6月にオープンさせました。

施設名の「シキ」は看板犬であるボーダーコリーの名前で、経営者夫婦の名前から一文字ずつ取り、島の四季の恵みをお届けしたいという想いが込められています。
現在は犬の兄弟、シキ・ソワ・アーサーの3匹が農園の看板犬として、訪れるお客様を温かく迎えてくれます。
大崎上島は明治35年から青江早生みかんの栽培が始まったとされる、柑橘栽培の歴史ある産地です。
日本有数の「レモンの島」と呼ばれ、広島県全体で国産レモンの生産量日本一という地位を占めています。
Shiki Farmでは瀬戸内の太陽と穏やかな潮風をたっぷりと浴びた柑橘や野菜、オリーブを低農薬で栽培しており、料理で出た野菜くずや雑草を堆肥にして土を整えるなど、自然との調和を大切にした姿勢が随所に見られます。
ポンカン、はるみ、はっさく、デコポン、せとか、グリーンレモン、極早生みかんなど季節ごとに様々な品種があり、甘味・酸味・香りの違いを楽しむことができるのが魅力です。
Shiki Farmの最大の特徴は、栽培した野菜や果物を加工食や染料として活かす、循環型農業を実践していて、本来であれば捨てられてしまう果実の皮や枝葉を集め、天然の染料として有効活用します。
同じ野菜や果物でも季節によって色味が変わり、枝葉と実では異なる色が出るなど、毎回が新しい発見となる創意工夫に満ちています。こうした資源を無駄にしない営農スタイルは、環境への配慮とものづくりの喜びを同時に実現しています。

施設内にある「シキカフェ」では、農園でその時採れた旬の果実を使った、みずみずしいスイーツやドリンクを楽しむことができます。
夏には島の食材をふんだんに使ったかき氷が登場し、白いぬ・Arthurは練乳がけでカラフルなフルーツがたっぷりのった夏季限定のかき氷で、見た目も楽しい工夫が感じられます。
豆花・Shikiは豆乳プリンにブラックタピオカと三色小豆をのせたジャスミンシロップのかかった香り高いかき氷で、アジアンテイストが引き立つメニューです。
みかん かき氷・Soieやレモン かき氷・Soieといった島の特産フルーツを活かしたシンプルなかき氷も夏季限定で登場し、ブルーベリー かき氷・Soieは大崎上島特産の大粒ブルーベリーをたっぷり使った贅沢な味わいです。
冬季には自家製フルーツソースがかかったワッフルが提供され、年間通じて島の季節の恵みを味わえます。人気のフルーツカードは、バニラアイスに自家製フルーツソースをかけたシンプルながら贅沢なデザートです。

島の四季の素材を活かした染色体験は、Shiki Farmの最もユニークなプログラムです。月曜日から日曜日まで予約制で実施されており、手ぬぐい、エコバッグ、ストールから好みの素材を選んで、自分だけのオリジナル作品を制作できます。
体験時間は約1時間30分から2時間で、まず白い生地にどのような模様をつけるかを考え、輪ゴムで絞ったり、木の板を使って折りたたんだりと様々な技法を用いて準備をします。
その後、島で栽培した野菜や果物から抽出した染液に布を浸し、媒染液に漬けて発色させます。媒染液は2種類が用意されており、同じ染液でも異なる2色を作り出すことができるという工夫があります。何度も繰り返して色を濃くしていくプロセスは実験のような楽しさがあり、染料を洗い流して絞った棒や輪ゴムを外すと、予想とは異なる素敵な模様が浮かび上がります。
カフェの他にも、愛犬と芝生で遊べる広々としたドッグラン、島や農園で採れた野菜を販売する「シキファームマルシェ」、古民家を改装した倉庫ギャラリーなど、ゆったりとした時間を過ごせる空間が広がっています。
【Shiki Farm】予約・アクセス・割引クーポン – じゃらんnet
Shiki Farmの予約ならじゃらん遊び・体験予約 交通アクセス:(1)広島空港から竹原港までバスで30分、竹原港からフェリーで約30分。 広島駅から安芸津港まで電車で約1時間30分、安芸津港からフ……
ホームページ
| 住所 | 広島県豊田郡大崎上島町中野3404-2 |
|---|---|
| 電話 | 090-7679-1640 |
[記事公開日]
この記事の作者・監修
Activi TV
こんにちは!食べることが大好きなグルメライター・料理愛好家のActivi TVです。料理の世界に魅了され、様々な料理の作り方や味を探求する日々を送っています。各地で出会った料理から、私は常に新しいインスピレーションを受けています。料理は文化であり、人々をつなぎ、温かい気持ちにさせる素晴らしい手段だと信じています。私の記事を通じて、読者の皆さんも新しい味と出会い、楽しい食体験をしていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします!







