漁師の直売所「安宅漁港直売所」
梯川の河口近く、日本海に面したこの小さな港は、北前船で賑わった時代から海運の要所として栄え、現在も沿岸漁業の拠点として地域の食文化を大切に支え続けています。
この直売所を切り盛りするのは、高知県出身の中島睦美さん。
もともと釣りが大好きだった睦美さんは、調理師として病院食の仕事に就いた後、人生の転機を迎えて小松市に移住しました。
2017年に甲状腺がんと診断され全摘出手術を受けましたが、幸い手術は成功し、この体験が「本当に好きなことをしたい」という強い思いにつながりました。
安宅漁港で遊漁船の仕事を手伝ううちに、市場に出回らない新鮮で美味しい魚の存在を知り、多くの人に食べてもらいたいという情熱から、2024年に漁師の中村一馬さんと共にこの直売所を開店させました。
その後、中村さんが大病を患ったことで漁船「かずや丸」を一人で運転することになり、本格的に漁師として独り立ちを果たしたのです。
営業は毎週土曜日の午前11時からという限定スタイルですが、開店前からお客さんが行列を作るほどの人気ぶりです。
店頭には、その日の朝に獲れたばかりの新鮮な魚を使った刺身が並び、スズキや鯛、アジといったおなじみの魚から、スーパーではなかなか出会えない珍しい魚まで幅広く取り揃えています。
睦美さん自らが漁で獲った魚や、地元で多く獲られている貝類を使った煮つけなどの手作り惣菜も大変人気があります。
調理師の経験を活かし、素材の味を最大限に引き出した家庭的な味わいは、訪れる人々の心を温かく満たしています。また、8月には完売してしまうほどの人気商品である浜のぷりんや、季節の魚を使ったお弁当なども販売しており、イベント時には振る舞いカニ汁や海鮮鍋などの温かいもてなしも提供されます。
安宅漁港のお店だけあり、季節ごとに水揚げされる魚種が変わります。春はカレイやマス、夏はウニやイカ、秋にはサケやブリなど、その時期ならではの海の恵みが堪能できます。
年に一度開催される「安宅漁港ぴちぴち市」では、名物のつみれ汁が無料で振る舞われ、漁師による甲イカ焼きの実演も見ることができ、入場制限がかかるほどの大盛況となります。
| 住所 | 石川県小松市長崎町戊 安宅漁港(バス |
|---|---|
| 電話 | 0761-21-6732 |
菊池桃子・小木逸平
[記事公開日]
[最終更新日]
この記事の作者・監修
Activi TV
こんにちは!食べることが大好きなグルメライター・料理愛好家のActivi TVです。料理の世界に魅了され、様々な料理の作り方や味を探求する日々を送っています。各地で出会った料理から、私は常に新しいインスピレーションを受けています。料理は文化であり、人々をつなぎ、温かい気持ちにさせる素晴らしい手段だと信じています。私の記事を通じて、読者の皆さんも新しい味と出会い、楽しい食体験をしていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします!






