宮田先生の焼きたてパン「ぱん工房◯」
宮田さんの開業エピソード
宮田さんの人生は決して平坦ではありませんでした。横浜市出身の彼は大学卒業後、長野県で中学校教師として歩み始め、赴任先で小学校教師をしていた敦代さんと出会い結婚。2人の子どもに恵まれ、木島平村にマイホームを構えて幸せな日々を送っていました。しかし、家を建てて3年後、妻の敦代さんに脳腫瘍が発覚し、わずか3か月後に40歳という若さで天国へと旅立ってしまったのです。それからの宮田さんは、敦代さんのご両親の協力を得ながら、男手ひとつで2人の子どもを立派に育て上げました。
子どもたちが独立し、人生の次の章を考えるようになった宮田さんは、48歳で長年勤めた教職を離れる決断をします。そして選んだのがパン職人という道でした。1年間専門学校で学んで調理師免許を取得し、長野市内のパン工房で3年間の実践経験を積み、さらに東京の専門学校で製パン技術を磨きました。退職から6年という歳月をかけて準備を重ね、ついに自宅を改装して念願のベーカリーをオープンさせたのです。
ぱん工房◯について
店名の「○(まる)」には、宮田さんの深い思いが込められています。「地球に優しい」「体に優しい」「廃棄ゼロ」という三つの理念を表現したこの名前には、持続可能な未来への願いが込められているのです。実際に店舗では地元の太陽光発電を利用したソーラーシェアリングシステムを導入し、長野の厳しい豪雪地帯という条件下でも壁面設置や庭を活用した架台設置により年間を通じた発電量を確保しています。また、発酵具合に合わせた焼き時間の調整や、端材をジャムやラスクに活用するなど、食品ロス対策にも積極的に取り組んでいます。
朝早くから仕込み
朝食に焼きたてのパンを楽しんでもらいたいという思いから、宮田さんは深夜1時半からパン作りをスタートし、朝6時半にはお店を開けています。看板商品のバタールは、小麦本来の香りがしっかりと感じられるハード系のパンで、外はパリッと、中はふんわりとした絶妙な食感の対比が魅力です。地元産の小麦粉をブレンドすることで、しっとりとしたクラムに仕上げられているこの逸品は、平日と土曜のオープン直後に並ぶため、早めの来店がおすすめです。
名物パン
その他にも、バターリッチで層の美しさが光るクロワッサンや、地元野沢菜を練り込んだ野沢菜ハードパンなど、地域の食材を活かしたメニューが豊富に揃っています。旬の食材を使った「菜の花とベーコン」や「野沢菜とクリームチーズ」なども人気で、土曜日にはパイ生地を使ったデニッシュやアップルパイなどの特別メニューも登場します。予約注文が必要な薪窯ピザは、モチモチの生地にトマトソースと地元野菜をトッピングしたランチタイムの特別メニューとして多くの方に愛されています。
地元の常連客はもちろん、「宮田先生がお店を開いた」という噂を聞きつけた教え子や保護者の方々も訪れ、週に数回行っている出張販売では行列ができるほどの人気ぶりです。
- 菜の花とベーコン
- アップルパイ
- 野沢菜とクリームチーズ 150円
- 爆弾カレーパン 150円
- 旬の果物デニッシュ 200円
| 住所 | 長野県下高井郡木島平村穂高3131−15 |
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| 電話 | 090-9664-4922 |
菊池桃子・小木逸平
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この記事の作者・監修
Activi TV
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