淡路町駅「ぼたん」
店名の由来は、当時まだ珍しかった洋服のボタンを扱っていたことから、ハイカラでお洒落なイメージを持つ「ぼたん」と名付けられたといいます。
大正12年の関東大震災で一度倒壊したものの、2代目の櫻井建吾が4年以上の歳月をかけて昭和4年(1929年)に現在の建物を再建しました。
その後、太平洋戦争中は休業を余儀なくされましたが、東京大空襲で奇跡的に焼け残り、築95年を超える今もなお当時のままの姿で営業を続けています。
この建物は東京都選定歴史的建造物、千代田区景観まちづくり重要物件に指定され、格式ある式台や歪みガラス、坪庭などが往時の東京の面影を今に伝えています。現在は5代目の城一泰貴さんが暖簾を守り、文豪・池波正太郎をはじめとする多くの文化人に愛されてきた伝統の味を受け継いでいます。
このお店の最大の特徴は、創業以来変わらぬ調理法にあります。
今なおガスを一切使わず、備長炭と鉄鍋だけで調理するという昔ながらの製法を守り続けているのです。
鳥肉は生産者から一羽丸ごと仕入れ、調理場で丁寧に解体します。一人一台の火鉢で提供される光景は、まさにこのお店ならではの風景といえるでしょう。
また、秘伝の割下は創業当時から受け継がれてきたもので、鳥肉の旨味を最大限に引き出す絶妙な味わいに仕上げられています。
番組で紹介した親子丼は、秘伝の鳥すきやきの割下がベース。鶏肉は肉質がやわらかく脂肪が少ないという錦爽どりを使用し、卵2個分の溶き卵を入れてプルプルの半熟状態をご飯の上にのせて仕上げます。
お店の看板料理である鳥すきやきは、腿肉や胸肉、レバー、モツ、ハツ、皮など、一羽の鳥のさまざまな部位を味わえる贅沢な一品です。
鳥の脂を敷いた鉄鍋に肉を並べ、備長炭でじっくりと焼き上げてから割下を加えてグツグツと煮込んでいきます。具材はシンプルに葱、白滝、焼き豆腐のみで構成され、鳥肉の味わいを存分に楽しめるようになっています。
つくねも提供され、柔らかな食感と深い旨味が口の中に広がります。
鍋が出されるまでの間に楽しめる厚焼き卵も人気の一品で、お酒のお供として常連客に親しまれています。
また、串焼きも用意されており、炭火で香ばしく焼き上げられた鳥肉は絶品です。お取り寄せ限定の鳥そぼろは、長年受け継がれてきた味を家庭でも楽しめる逸品として評判を呼んでいます。基本のコースは鳥すきやき一人前にお新香、ご飯、果物が付いた全4品で、明治30年代から続く歴史ある味わいを堪能できます。
阿川佐和子・飯尾和樹・ずん・石原良純・柳沢慎吾
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この記事の作者・監修
Activi TV
こんにちは!食べることが大好きなグルメライター・料理愛好家のActivi TVです。料理の世界に魅了され、様々な料理の作り方や味を探求する日々を送っています。各地で出会った料理から、私は常に新しいインスピレーションを受けています。料理は文化であり、人々をつなぎ、温かい気持ちにさせる素晴らしい手段だと信じています。私の記事を通じて、読者の皆さんも新しい味と出会い、楽しい食体験をしていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします!
