とんぼやは、世界中から人々が集まる東京の台所、築地場外市場に店を構える食べ歩き専門のお店です。

お店の看板商品のマグロステーキの味の決め手は、特別な「酒と醤油」に漬け込むこと。この秘伝の漬け込み液が、ただのマグロを、驚くほどジューシーで肉厚な「肉のような食感」に変身させています。
その調理法もユニークで、漬け込まれたマグロの切り身を串に刺し、熱した鉄板の上で、さらにバーナーを使って豪快に炙り焼きにするのが特徴です。
表面は香ばしく炙られていますが、中はふっくらと柔らかく、口に入れるとほろりと崩れるほどのしっとり感があります。
魚とは思えないほどの肉肉しい食べ応えがありながら、脂っこさはなく、さっぱりとしているのが嬉しい驚きです。濃すぎないニンニク醤油の風味とマグロの旨みが相まって、次の一口がすぐに欲しくなります。

きつねやは、東京の台所として知られる築地場外市場で、戦後の昭和22年（1947年）から続く、たいへん歴史の深い老舗の飲食店です。

市場の活気あふれるもんぜき通りに、お店を構えています。創業当時は、今とは少し違ったスタイルで、お店のルーツは下駄職人だった店主のお祖父様が考案したホルモン煮にあります。お酒好きだったお祖父様は、このホルモン煮を肴に、串に刺したモツを大鍋の縁に置いて一本ずつ摘まんでお酒を楽しむ、という立ち飲みをされていたそうです。こうした粋な文化は、市場で働く人たちに愛され、深夜から早朝にかけて仕事終わりの一杯を楽しむ憩いの場として、長きにわたり賑わってきたのですね。

お店の大きな特徴は、なんといっても毎日大鍋でじっくりと煮込まれる看板メニューのホルモンです。この煮込みのタレは、長年継ぎ足し続けてきた秘伝の味で、きつねやさんの変わらないおいしさを守っています。お店の前を通ると、八丁味噌と牛肉の香ばしい、たまらない香りがふわりと漂ってきて、食欲をそそられます。朝6時30分の開店から、今でもこの老舗の味を求めて、国内外から多くのお客様が列を作る光景が見られます。お持ち帰りを除き、お食事をされる場合はご飯やお飲み物を一緒に注文して楽しむという、市場らしい賑やかな雰囲気も魅力の一つです。

お店の二枚看板として絶大な人気を誇るのが、そのホルモン煮をご飯にたっぷりかけたホルモン丼と、もう一つの名物牛丼です。とろけるほど柔らかく煮込まれた牛ホルモンは、八丁味噌をベースにした濃厚な味わいが特徴で、ホルモン肉の鮮度にもこだわり、毎日丁寧に仕込まれています。そのコク深くもついつい夢中になってしまう味わいは、築地に来たらぜひ一度食べていただきたい逸品です。

一方の牛丼は、ホルモンとは違って酒や醤油で甘く煮込まれており、どこか懐かしい、やさしい下町の風情が感じられる美味しさです。ホルモンとはまた違う、ほっとする甘辛い味が楽しめます。この牛丼の頭と同じ甘く煮込まれた牛肉を味わえるのが、肉豆腐です。また、お酒の肴にもぴったりなのが焼どうふで、味の染みたお豆腐は、名物のホルモン煮と組み合わせて召し上がる方も多く、きつねやさんの二つの味を少しずつ楽しみたいという方におすすめの注文方法です。もちろん、お好みに合わせて生卵や半熟卵といったトッピングを添えると、より濃厚でまろやかな美味しさの変化を楽しめるのも嬉しいですね。朝早くから開いているきつねやさんは、築地を訪れる旅の始まりを、元気いっぱいの「美味しい」で彩ってくれることでしょう。

田所食品は、築地場外市場で60年、築地で魚卵を扱って45年の老舗魚卵専門店です。
当初はいくら、筋子、たらこ、明太子などの塩干魚や珍味類を扱う物販店として、業務用から家庭用まで最高品質の商品を届けていました。

2019年頃、店頭のイートインスペースでプロの味が手軽に楽しめるようになりました。当初は出汁茶漬けが中心でしたが、たらこパスタがSNSで話題となり、地元の人だけでなく観光客からも人気を集めています。市場や地元の人に寄り添った商売を大切にしながら、新たな築地の味として進化を続けています。行列ができる人気店でありながら、市場の人や地元の人に愛される朝定食も提供しています。

専門店ならではの強みは、鮮度の良さと品質にこだわった魚卵を惜しみなく使えることです。たらこパスタや明太子パスタは、贅沢な魚卵の使い方が魅力です。太めの冷凍麺を使うなど、提供の早さも重視しながら、素材の良さが引き立つように工夫されています。鮭といくらの親子パスタは、鮭といくらの最強の組み合わせが存分に味わえる人気メニューです。

食事メニューは、魚卵を使ったパスタ以外にも、ご飯ものも充実しています。鮭といくらの親子丼や、バターで仕上げる鮭といくらの親子バターライスなど、パスタ派にもご飯派にも喜ばれる品揃えです。さらに、たらこパスタを食べた後の器に残ったソースや魚卵をご飯にかけて楽しむ「追いメシ」も人気です。物販スペースでは、いくら、筋子、たらこ、明太子などを購入できます。イートインスペースでは、季節の食材を使った出汁茶漬けが人気です。

築地食堂は、築地場外市場にある牡蠣と新鮮な魚介類の専門店です。全国各地からその時々で一番新鮮なカキを厳選して集めています。2025年8月にオープンしました。

このお店にしかない特徴は、漁師さんたちが編み出した豪快な浜料理「がんがん焼き」を、体験できること。新鮮なカキを一斗缶に詰め、自家製の合わせ酒を加えて蒸し上げます。蓋を開けた瞬間の湯気と潮の香りは、至福の瞬間です。
蒸し上がったカキやホタテなどの貝類を、軍手をはめて殻を剥きながら食べるスタイルは、海辺のバーベキューのような楽しさがあり、賑やかな市場の雰囲気を肌で感じながら食事できます。

がんがん焼きに使われるカキはもちろん、ホタテや白ハマグリ、エビ、カニなど、築地や豊洲市場から仕入れた新鮮な魚介類も種類豊富です。生カキや焼きカキといった定番料理のほかにも、カキの旨みが凝縮した特製ソースで味わうカキグラタンなど、カキの専門店ならではのメニューが用意されています。

鳥藤は、明治40年（1907年）に浅草六区で鶏肉と鶏卵の卸問屋、鶏料理屋として創業しました。
関東大震災後、日本橋魚河岸で営業を続け、昭和3年に築地に移転。昭和10年には築地中央卸売市場の開場とともに本店を現在の場所に移し、プロの料理人たちに最高品質の鶏肉と鴨肉を卸す業務用卸のスペシャリストとして築地の食文化を支えています。
創業から100年以上、鶏肉ひとすじに培ってきた目利きと信頼は、和食、洋食、中華に対応できる豊富な品揃えとなり、都内広範囲への当日配送、一般のお客様への店頭販売、全国発送にも力を入れています。

鳥藤の一番のこだわりは「鮮度第一」。日本全国の地鶏や銘柄鶏、合鴨などを産地から直接仕入れ、職人が自社で解体処理することで、鮮度抜群の鶏肉をお客様に届けています。
平成14年（2002年）には、プロが扱う新鮮で質の良い鶏肉をより多くの方に味わってほしいという思いから、丼ぶり専門の飲食店「鳥藤分店」を開きました。これは、業務用卸として培った素材への確かな知識と技術を、直接お客様に伝えるアンテナショップの役割も担い、連日多くの方で賑わう築地の名物店となっています。

鳥藤の看板メニュー親子丼は、素材へのこだわりが光る人気料理です。大山どりや信玄どりなど、その日の仕入れで銘柄鶏を使い分け、濃厚な鶏白湯スープをベースにした割り下で仕上げます。とろとろの半熟卵と程よく味付けされた鶏肉がスープの旨味を吸収し、奥深い味わいを生み出します。味付けは醤油だれのほか、ゆず胡椒と塩の「しお」、かつおだしと塩の「しお2号」の3種類から選べます。

築地場外市場の「築地魚河岸」フードコートにある「鳥藤とりそばスタンド」では、鶏清湯スープをベースにしたむしどりそば しおや、手羽先が乗ったてばさきそば 醤油など、中華の技術を取り入れたメニューも楽しめます。

築地場外市場で1950年頃から営業する老舗町中華幸軒。創業70年以上、市場の人々に温かい味を提供し続け、今も朝早くから営業しています。

幸軒の看板メニューは「築地名物」とも呼ばれるジャンボ焼売。
普通サイズの焼売をはるかに超える大きさで、一個でも食べごたえがあります。形は整えられておらず、皮が控えめで肉餡がぎっしり詰まっています。
チマキのような茶色い色で、一口食べるとふんわりやわらかく、ジューシーな豚肉の旨味と玉ねぎの甘みが広がります。醤油ではなくからしを添えたソースでいただくのが定番です。

昔ながらの味わいを受け継ぐラーメンは、長年の人気を誇る一品です。あっさりとした醤油味のスープに生姜の風味が効き、朝からでもするすると食べられる優しい味わいです。
ラーメンに欠かせないチャーシューは、厚切り自家製で、ラーメンスープでじっくり煮込まれ、ホロホロと崩れるほどやわらかです。

脂身の甘みと醤油のキレが感じられる濃いめの味付けが評判です。自慢のチャーシューとジャンボ焼売を一緒に味わえる「しゅうまいチャーシュー盛合せ」は、ぜひ試していただきたい名物メニューです。

しっとりとしたチャーハンは、具材のバランスが良く、ボリューム満点で人気です。

築地魚場 リトル築地場外は、築地場外市場の活気を凝縮した海鮮居酒屋です。2023年7月20日オープン。

看板メニューは、テレビでも話題になったオマール海老味噌ラーメン。オマール海老のだしを使った濃厚な味噌スープに、炭火焼き海老をまるごと一尾盛り付けます。新鮮なお刺身も自慢で、旬の魚介を味わえます。

築地場外市場のまる一 浜田商店は、食料品、加工食品、冷凍食品などを扱うお店です。市場のプロから一般のお客様まで、毎日多くの人が訪れます。日曜日、祝日、市場の休市日はお休みです。

このお店の魅力は、こだわりの納豆と和菓子です。納豆は、水戸の「水戸納豆製造株式会社」から毎朝新鮮なものを仕入れています。都内で手に入るのは、ここと羽田空港の売店だけです。

人気商品は、昔ながらの製法のわら納豆と経木納豆です。藁や経木に包まれた納豆は、独特の香りが移り、納豆本来の風味を引き立てます。毎日買い求める地元の人もいるほど、信頼されています。

和菓子は、羊羹、最中、大福、鹿の子などを取り揃えています。築地市場の場外という場所柄、忙しい合間の休憩にぴったりです。ご自宅用、食べ歩き、お土産にも喜ばれます。

冷凍食品も取り扱っており、ご家庭で楽しむための便利な商品も見つかります。食にこだわるプロが認めた品々の中から、自分だけのお気に入りを見つけてみてください。市場の伝統と、ここでしか手に入らない特別な一品を味わってください。

築地魚河岸にあるキタニ水産は、豊洲市場でもトップクラスのマグロと鮮魚のプロ集団です。
2018年10月の豊洲市場移転後も、中央区が築地魚河岸を生鮮市場として残し、キタニ水産はここで毎日、極上の魚を扱っています。
料理人だけでなく、一般のお客様にも卸価格で新鮮な海の幸を楽しんでもらうため、小売りにも力を入れています。

キタニ水産の強みは、豊洲市場でトップクラスの取引量を誇るマグロへの情熱と確かな目利きです。プロフェッショナルが厳選した質の高いマグロを、飲食店などプロの仕入れだけでなく、一般のお客様にも直接販売しています。自社便をはじめとした充実した配送サービスで、築地・豊洲から直送の新鮮な魚を東京23区内に無料配達しています。プロの料理人やホテル、スーパーなどの仕入れに関する相談にも乗ってくれる、食の専門家です。

キタニ水産の人気メニューのひとつが、テイクアウトもできるマグロ丼です。プロが目利きした質の高いマグロを、市場ならではの新鮮な状態で楽しめます。ランチタイムには多くのお客様で賑わいます。
本マグロ、インドマグロ、バチマグロなど、好みに合わせて選べます。熟練の職人が丁寧に選んでいるので、安心して本物の美味しさを堪能できます。

キタニ水産は、マグロ以外にも、全国各地から旬の鮮魚を仕入れています。
プロの目利きが厳選した新鮮なウニ、貝類、エビ類といった高級食材は、キタニ水産の名物です。
ご自宅でのお食事を豊かにする鮮魚に加え、人気の水産加工品も取り揃えています。コリコリとした食感が楽しい梅水晶や、新潟県の郷土料理である栃尾あぶらあげなど、ユニークな商品も販売しています。

明治4年創業の老舗水産企業「尾粂」が、築地魚河岸に「だし尾粂 築地魚河岸店」をオープン。150年以上の歴史と築地市場最長の業歴を誇る同社は、無添加・天日干しの製法で高品質なだしを提供してきた。

この店の最大の特徴は、世界で初めて特許を取得した「オーダーメイドだしパック」サービス。24種類の無添加・国産出汁原料から、だしソムリエと相談しながら理想の配合を決定。店内の加工場で配合・粉砕・充填・包装まで行い、世界に一つだけのオリジナルだしパックが完成します。
組み合わせは1兆通り以上。家庭用、贈答用、離乳食用など、用途や好みに合わせた「秘伝の調合」が可能だ。パッケージには名入れができ、調合データは保管されるため、店頭、オンライン、電話で再購入もできます。

天ぷらの食べ歩き

北海道札幌に本店を構えるチョコレート専門店「Tony Bake」が、期間限定で東京・築地に100日だけのチョコクロワッサン専門店をオープンしました。
本店は「チョコが売っていないチョコ専門店」というユニークなテーマを掲げ、チョコレートを軸にしたお菓子を展開しています。
築地店は2025年9月30日にオープンし、100日間の営業。オープンからわずか15分で完売するほどの人気です。

100日だけのチョコクロワッサンは、厳選された生地と高級チョコレートを贅沢に使った、大人も納得の味わいです。
濃厚なバターの香りが豊かなクロワッサン生地は、外はサクサク、内はしっとり。生地と高級チョコレートのバランスが絶妙で、口の中でとろけるような至福のひとときを味わえます。

このクロワッサンは、多彩なフレーバーが魅力です。
定番のスウィートは、高級チョコレートを使用し、甘さ控えめで上品な味わいです。
華やかな見た目のマーブル、ホワイトチョコレートのやさしい甘さのホワイトも人気です。ほろ苦い抹茶とチョコレートの調和が楽しめる抹茶もおすすめです。
100日間限定で、日替わりや季節ごとのフレーバー、新商品も登場します。築地散策のお供や手土産にも最適です。ぜひこの機会に特別な味わいを体験してください。

南原清隆・久本雅美・陣内智則・西尾由佳理・ぺこぱ・シュウペイ・松陰寺太勇・王林・浦川翔平・櫻井淳子・山下健二郎・羽鳥慎一・蛯原哲