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カカオのデザートコース「nib(ニブ)」
同じ建物の1階で営業するチョコレート・アイスクリームショップtealのシェフである眞砂翔平さんが、チョコレートという枠を超えてカカオという素材そのものの魅力を深く掘り下げるために立ち上げました。
眞砂さんは、フランスの著名ショコラティエパスカル・ル・ガックの日本第1号店でシェフパティシエを務めた経歴の持ち主です。2017年にはTop of Patissier in Asiaでベストショコラティエにも選ばれ、国内外のコンテストで数々の受賞歴を重ねてきました。
nibという店名は、カカオ豆を砕いた中身の部分を指す言葉で、カカオの本質に迫りたいという思いが込められています。
お店が入る日証館は、日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一の旧邸宅があった場所に、昭和3年に建てられた歴史的な建物です。関東大震災で渋沢邸が全焼したのちに東京株式取引所の付属施設として建設され、戦後は多くの証券会社が入居する金融の街の象徴でした。
現在はレトロなアーチ窓が美しい近世様式の外観を残しながら、新しい文化スポットとして生まれ変わっています。nibの内装には壁にカカオ豆の外皮を練り込んだ素材を使うなど、空間そのものがカカオへの興味を呼び起こす工夫が施されています。
8席限定のシェフズテーブル形式で、眞砂さんがカウンター越しに語りかけながら一品一品を仕上げていく様子を目の前で見られるのは、ここならではの贅沢な時間です。
nibの最大の特徴は、食べる人自身がデセールの完成に参加できる体験型のコース構成です。まず席に着くと、自分の手でカカオ豆をローストする体験からスタートします。
カカオの香りが立ち上る瞬間や、豆がパチッとはじけて色が変わっていく過程を五感で感じながら、焙煎したカカオをすり潰して中のニブを取り出します。このニブを小菓子にのせて食べることで、カカオ本来の香ばしさと食感を楽しむことができます。
さらに、ローストしたカカオを加えて仕上げる水出しカカオの豆茶風や、砕いたニブをのせて完成させるチョコレートタルトなど、お客さん自身が作り手の一部になれる仕掛けがいくつも用意されています。カカオがどのように変化して味わいを生み出すのかを、体験を通して理解できるのが大きな魅力です。
カカオの多彩な表情を詰め込んだ小菓子8種のプレートも人気の一品です。カウンターに運ばれてくるプレートには、ふわふわで空気のようにとろけるシェードツリーのカカオの実、香ばしいニブの食感が楽しい一口サイズのお菓子、カカオの泡を生かしたデセール、果物との組み合わせを試した創作など、ひとつひとつ全く異なる質感と味わいが並びます。どれもカカオという素材がこれほど幅広い表現を持つのかと驚かされる内容で、軽やかなものからしっかりした味わいまでバラエティに富んでいます。
シェフが旅先で体験したことをテーマにした季節限定のカカオジャーニーというコースもあり、訪れるたびに新しいカカオの世界に出会えるのも魅力です。タイをテーマにした回では、エスニックなスパイスと日本の風土が混ざり合った独創的な組み合わせが話題になりました。コースは予約優先ですが、2025年4月以降はアラカルトメニューやテイクアウト用の小菓子も始まり、気軽に立ち寄れるお店になっています。
nib(ニブ)(茅場町・八丁堀/カフェ) – Retty(レッティ)
こちらは『nib(ニブ)(茅場町・八丁堀/カフェ)』のお店ページです。実名でのオススメが1件集まっています。Rettyで食が好きなグルメな人たちからお店を探そう!
retty.me
| 住所 | 東京都中央区日本橋兜町1-10 日証館 1F |
|---|---|
| 電話 | 03-6206-2568 |
※公式サイト・Instagramから情報を引用させていただいております。
有吉弘行・生野陽子
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この記事の作者・監修
Activi TV
こんにちは!食べることが大好きなグルメライター・料理愛好家のActivi TVです。料理の世界に魅了され、様々な料理の作り方や味を探求する日々を送っています。各地で出会った料理から、私は常に新しいインスピレーションを受けています。料理は文化であり、人々をつなぎ、温かい気持ちにさせる素晴らしい手段だと信じています。私の記事を通じて、読者の皆さんも新しい味と出会い、楽しい食体験をしていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします!
